この土日は、昔ながらの心地よい秋を感じさせる、気持ちの良い晴天になった。また、風も冬らしい寒さをつけてきて、バイクで走るのにも、防寒着をズボンのほうにも着ないと体を冷やしそうになる。そろそろ、タイヤの交換も考えようか。丹沢の山頂の方は、木々の葉も落ち尽くして、冬景色に入っているらしい。その景色が、徐々に麓に降りてきている。
陽もだいぶ低くなった。これから冬至を挟んだ2か月ほど、一年で一番陽が低い時期が続く。午後2時でも、いや午後1時頃ですら、既に夕方の気配がある。先週の日記で写真を上げたケヤキの葉も、今ではほとんど落ち尽くした。
こんな心地よい晴天だと、行楽にはげむ人々も多い事だろう。実際に多い。ただ、私の好みとしては、静かな秋の一日を、どこにも行かずに、ゆったりと味わいたいところだ。まあ、こんな事は、山里に住んでいる人間だから言えることだけど。
その一方で、山里暮らしで、そうものんびりしていられない事も出てくる。ある家で、薪ストーブに亀裂が出来て、そこから火を噴きだした。これから本格的に使いたい季節なのに、どうしようかと困惑していた。
その薪ストーブは、珍しく鉄板で出来ているのではなく、石でできている。なかなかの高級品だ。(参考ページ>>)
リンクしたページの説明にもあるように、薪ストーブとしての性能が非常に高く、またこれは私も実際に体験して感じるのだけど、暖かさの質というのが、他の薪ストーブに比べても上質な印象がある。
ただ、その亀裂ができて火が出てしまったストーブについては、初期に酷い使い方をしたらしい。何でも、薪ストーブを、ごみでもなんでも燃やせる焼却炉みたいに考えていた地元の古老が、薪ストーブの窓を開けっ放しにして、じゃんじゃん薪やらゴミやらを放り込んで、非常な高温で使ったとか。その時に出来てしまった亀裂(・・・といっても、亀裂が出来たのは10年も前だ)が、今になって限界に来たらしい。
うーん、大事に使っていれば、もっと長く快適に使えてたのにねぇ。
さて、どうするんだろう。私なんて、いいかげんな人間なので、少々の亀裂なんて、始めから石でできた薪ストーブなんだから、耐火モルタルなんかで塞いだらどうかと思うのだけど、そんなことをしても、薪ストーブの本来の性能を損なうかもしれないし、かえって危険かもしれないしな。あまり勝手なことは言えない。
それにしても・・・と思うのだが、世の中には、けっこうな量の高級品や高性能品が、使い方を知らない人々の無茶な使用で、駄目になっている事例があるんだろうな。まあ私だって、そういう失敗と無縁なわけではないけれど。
先日、ある家をみた。人が住まなくなって数年が経ち、だれか欲しがる人はいないかという。家の作りはなかなかしっかりしている。ただ、家の中は少し荒れている。とはいっても、前の住民の子供がぶつけたのか、壁に穴が空いている程度だが。
古民家と言うほどの年代物ではない。かといって、現代的な感覚からしたら、古民家と言われても仕方のない造りはしている。そのぶん、柱や梁は太いものが使われている。おまけに、この家には付属で倉庫のようなガレージがある。車が2台置けるような空間の上に2階があり、そこにも部屋があるのだ。趣味の場所としては最適だろう。
「現代的な感覚からしたら古民家と言われても仕方がない」と思える最大の理由が、断熱性能はほぼ期待できない事。壁や床に断熱材は無いし、窓やサッシも断熱性は期待できない古い世代のもの。もし、現代的な感覚の家にまで引き上げようと思ったら、この辺りは総合的な改造が必要になるだろう。
ただ、金額が気の毒なほど低い。少々の家をいじる腕があるのなら、かなり魅力的な物件だと思った。なにしろ山里にしては珍しく、冬でも日照に抜群に恵まれた、見晴らしの良い所にある。
「惜しいな・・・」、こういう、少々改造が必要でも安い家ならぜひ欲しい、という人は、どこかに必ずいると思うのだが。
こういう家は、なかなか不動産の情報には出てこない。あまりに金額が安いと、不動産業としても、仲介しても商売にならないのだろう。
古い家だけど、リフォームしたら500万円で仲介してもいい、でも、リフォームしないままだと300万円以下の値札しかつけられないし、そこまで金額が低い物件なら、持ち主からも、また買い手からも、それぞれ数十万円単位のお金を出してもらわないと、不動産業としてなりたたないから手を出せない。
そんな、不動産屋も避けるような物件が、けっこうあるようだ。
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