2025年 7月20日

 関東もようやく梅雨明け。それと共に強い暑さがやってきた。そんな中、隣町の上野原で変わったイベントがあったので行ってきた。それはトンネルを会場にしたもので、暗い中、いろんな展示が行われていた。

 このトンネル、一応、今でも現役のトンネル。車だって走る。ただ、新しいトンネルが出来てすっかり通行量は減っている。おそらく今では一日に数台も走るかどうか・・・といったところ。全国各地にそのようなトンネルはあるだろう。中には、旧トンネルは廃止にして入口を塞ぐとか、車の通行は制限して、歩行者や自転車専用のトンネルとして残している所もあるだろう。でも、このトンネルは車も通れる現役のトンネルだ。車の通行はめっきり減ったとはいえ、よくこんなイベントを市は許可したと思う。

 暑い夏の日でも、トンネルの中は涼しかった。天然のクーラーとはこのことだろう。飲食などの火を使う場所は屋外の会場が使われたが、涼しいトンネルの中では、様々な展示やら(場所柄、光を題材にした展示が多かった)、歌やら踊りやらも行われていた。

 こんなイベント会場、他にあるだろうか。私の知識が無いだけで、探せばあるのかもしれないが、旧トンネルとはいえ現役のトンネルを会場にしたイベントなんて、前代未聞ではなかろうか。

 土日を使って行われたこのイベント、なかなかの客の入りだったようだ。

 なんか、私は始めこの話を聞いたときに、絶対に行政は許可を出すまい、と思っていたけれど、実現しちゃうこともあるんだね。私は、行政の立場からすれば、前例のない、それでいて道路と言う、いろいろと許認可に法律が必要以なりそうな特殊な事は、面倒くさくってやる気にもならないと思ってた。これは私の考え方が古臭くさび付いて、硬直していたのだろう。案外、「それは無理だ」と思っていたことも、口に出して語り掛け、実際に行動に起こしてしまうと、何とかなるものも多いかもしれない。

 あとなぁ、とにかくこういうイベントが実際に実現しちゃったわけだ。既成事実が出来たと言っていいし、お役所にしてみれば「前例が出来た」という事でもある。

 全国各地の道路で、新トンネルが出来て廃れた旧トンネルはいくつもある。もちろん、中には老朽化が進んで崩落の危険性を危惧する物もあるだろうし、当然、そのようなトンネルはイベントには使えない。

 でも、安全性が心配ない所だったら、「うちの近所のトンネルでも、同じことが出来るんじゃないか」という話もしやすくなるかもね。

 トンネルだけじゃないかな。橋なんかもそうだ。車のすれ違いもできないような細い橋とか、より優れた新しい橋が出来たら使われなくなる。解体されないで残った橋だったら、何かのイベントの会場にできないかな。

 まあ話はイベント会場だけじゃないけれど、これから使用されなくなった旧施設をどうしていくかの話題は、ますます多くなっていくだろう。建物なんかは、使われなくなって廃墟化したりすると、近隣の住民に迷惑がかかってくる。解体するにしても、それなりにお金はかかるし、有効に利用しながら維持費も捻出できるなら、それは歓迎すべき話だろう。

 これから、似たような話は多く出てくるのだろう。同じ上野原市では、人が住まなくなった住宅を登録して「空き家バンク」を作り、移住希望者に紹介している。これは実際に上手く機能しているそうだ。

 もしかしたら、これからはもう少し規模の大きい施設でも「〇〇バンク」が提案されてくるかもしれない。例えば「廃工場バンク・廃倉庫バンク」なんてどうだろう。

 山里でも、意外と小規模な向上の建物や倉庫はある。そのいくつかは、使われなくなって、半ば排気されたようなものも少なくない。その一方で、この地で何か事業をしたいけれど、工場や倉庫として使えるような、安価で手ごろな施設は無いだろうか、と考える人もいるだろう。また、地元の市町村としたら、地元で事業を興そうと挑戦してくれる人なら、応援したいと言う気持ちだってあるだろう。

 全国を探せば、既にあるんじゃないかなぁ。廃工場バンクとか廃倉庫バンクって。

 しばらくは人口減少社会が続いていくに違いない。余った家や建物や施設の問題も、しばらく続くだろうし、これから深刻化していくだろう。

 でも、そんな現象も上手く使えば、地域を活性化させて再出発させる一助に、なるんじゃなかろうか。

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