2025年  6月22日

 自分も参加している田んぼの仲間で田植え。この一週間、梅雨らしさが吹っ飛ぶような連日の暑さだったが、この日も暑かった。ただ、風が強めに吹き続けていて、これには心地よさを感じた。次の週は少しは梅雨らしさが戻ると言う話だが、どうだろう。あまり、すべての話題を性急に気候変動と結びつけるのは良くないが、それまで自分が知っていた6月とは、まったく違う雰囲気の6月と言うのは、やはり気にかかる。

 夏至を過ぎて、これから少しずつ日照時間は減っていくが暑さはこれからが本番。これは冬至もそうだけど、暑さ寒さの極大が、夏至と冬至から遅れた時期に来ると言うのが面白い。もちろん、科学的な理由はあるのだけれど。

 自分が参加している田んぼでは、周囲の田んぼの中でも一番田植えが遅い。これは、以前は同じ田んぼで麦も育てていた経験の名残。麦秋を迎えて麦を刈り入れてから田植えを始めようと思えば、田植えはどうしてもこの時期になる。

 今年の田んぼにはどういうわけか、この土地ではアカハラと呼ばれるイモリがやたらといた。何らかの理由があるとは思うけれど、野生の生き物は何かの理由で、大量発生したり、まるで見かけなくなったりすることがある。

 そういえば、今年も蛍が飛び始めた。蛍の発生も年によって当たり外れがあるけれど、今年はそこそこ当たり年らしい。

 牧馬には小さな事件があった。20日の金曜日に牧馬峠の北側の道路で土砂崩れが起こり、今は通行止めになっている。もちろん、連日復旧工事はしているみたいだし、そろそろ崩れた土砂を片付け終わって、片側交互通行が出来るようにはしてくれるそうだ。ちゃんとした復旧工事は、時間をかけてじっくりとやる事になると思う。

 牧馬峠が通行止めになって、すっかり車の通行がなくなった。牧馬の集落は恐ろしいほどの静けさになった。まあそれでも、時々通行止めの看板に気づかずに峠に向かう車やバイクはやってくる。そして、実際に通行止めの箇所にたどり着いて引き返していく。

 それにしても、地震が起きたわけでもなく、大雨が降ったわけでもなく、ある日突然崩れると言う事もあるものだ。崩れたのは道路の片側が崖になっている所で、山道によくあるように、その崖はコンクリートで覆われていた。そこが、コンクリートごと土砂と一緒に道路に崩れた。

 崖を覆うコンクリートも、そこまでの厚さはない。崖に金網をかぶせてモルタルを吹き付けたものだから、時間が経てばヒビも入るし木も生える。木の根っこがモルタルの下側に成長していけば、自然、モルタルも壊されていく。考えてみれば、あまり何十年も耐用年数があるような仕組みではないようだ。藤野だけでも、これと同じように、いつ崩れても不思議ではないモルタルの吹きつけが各所にあるんじゃないかな。

 これは、山里では何度か経験してきた事だけど、こういった山道の急な通行止めが発生すると、けっこう日々の生活を直撃する。山里は都会と違って網の目のように道路があるわけではないので、一つの道が通行止めになると、別の迂回路を使わなければいけなくなる。それも、信じられないような遠回りの迂回路を。

 仕事や買い物に行く人にも影響はあるし、駅に行くのにも影響はある。子供を小学校に送るのにも。そこに、いつもの何倍もの時間が必要になる。だから、本格的な復旧工事は後回しにしても、片側交互通行でも出来るようになるだけでも有難い。

 今回は通行止めから片側交互通行になるまで一週間程度らしいという事だけど、以前、同じ牧馬峠で斜面の崩落が発生した時は、けっこう長い間通行止めが続いた記憶がある。確かあの時は一か月くらい通行止めが続いたんじゃなかったか。いや、もっとかもしれない。こんな出来事が起こる時には、やはり山の暮らしと言うのは、平地に比べると過酷な所はあるよなぁ、とは思う。

 ああそうだ、とは言っても、もちろん山ならではの快適さもある。このところの連日の猛暑だけど、各地で35度とかそれ以上の熱波の観測がされていたけれど、山の中の集落だと、そこまで酷い暑さにはならないみたいだ。もちろん、昼間は平地と負けず劣らず暑いのだけど、夜になると涼しい風が降りて来る。

 実はここ数年、牧馬の集落でも、夏に夜になっても、なかなか涼しい風が降りてこないで、少し寝苦しく感じる事が増えた。以前は熱帯夜なんて経験した事なんてなかったのに。

 これも気候変動の現われなのかなぁと気がかりだったけれど、今年の夏は今のところ、夜は快適さを保っている。このままの状態が続いてくれればいいのだけど。

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