先週は初夏を思わせる暖かい日もあった。宮崎では30度になった所もあったとか。それが土曜日からの雨で季節は少し戻った。とは言っても、冬に逆戻りしたと感じる程ではない。以前この日記で、ハクモクレンもコブシも、最後まで白い花びらのまま散る事は珍しく、霜に当たって茶色く萎れてしまうことが多い、と書いてたけれど、霜が凍り付くような低温には届かなかった。
梅が散って、桜が咲き始めた。桜も早咲きもあれば遅咲きもある。木の全体が花で包まれた桜がある一方で、ちらほらと咲き始めたものもある。山桜はまだつぼみのままだ。
そろそろ、山も冬景色を終えようとしている。木々は芽吹きの時期を迎え、道端には山吹が黄色い花を咲かせ始めた。世界に色彩が増え始めている。そして嫌なやつも動き始めた。暖かい日になると山ビルが出てくる。そろそろ、安心して山に入れる時期ではなくなってきた。
これはもう、何度もここで描いてきた事だけど、どこかの企業で「ヤマビルホイホイ」みたいな商品、出してくれませんかね。それを地面に設置したら、周辺のヤマビルを捕獲してくれるようなもの。
岩手県に続いて愛媛県や岡山県でも酷い山火事があった。一度ヤマビルを絶滅させてくれるのなら山火事でもいいや、と罰当たりな事を考える。
30日は年度末の日曜日で、篠原牧馬自治会の総会があった。いろんな課題が語られたが、その中の一つに、支障木の伐採の話がある。道路に張り出すように枝や幹を伸ばす木があれば伐採しなければならないし、道路沿いでなくとも、例えば家に倒れ掛かってきそうな木だって除去しなければ、いざ台風が来たときなどに倒れてきたら大変だ。
道路沿いの木であれば、行政に依頼すれば切り倒してくれることもあるが、木が生えている土地の地主の許可を得るのに難儀するケースもあるらしい。たいてい、こういう問題が発生した時に地主は反対派しないけれど、そもそも地主と連絡を取る事が難しい事が多い。地主もすっかり高齢になり、土地を離れて別の場所で暮らしていて、その連絡先も判らない、という事も多いからだ。
まあたぶん、これからは、少なくとも道路沿いの木に関しては、地主の許可がなくても車の通行の邪魔とみなされれば、普通に伐られるようになるとは思う。そうでもしないと山の道路が維持できない。
こういった支障木の問題は、ここ数年になって、いよいよ顕在化してきたし、先送りできなくなってきた。こういった現象が進行している理由の一つに、山に暮らす人々の高齢化もあると思う。
若い力が多くいた頃なら、むしろ木なんてどんどん伐って、薪とか燃料にしていたろうし、さらに昔は、炭焼きも盛んだった。
炭焼きの為だったら、山の木々は、決して大きく成長はさせない。一抱えもある大木にはさせない。炭にするのに適当な太さになったら(大人の太ももくらいか)、伐って炭焼き小屋に運んで木炭にした。今の山の姿は、そんな炭焼き全盛の時代がとうの昔に終わった、一抱えもある大木のコナラだらけの山になっている。
今から炭焼き全盛の時代に戻すのは難しいだろうし、自然保護の観点からしても、それには問題も多いだろう。ただ、人々が山里で安心して暮らせる環境を維持するためには、人々が山に手を出して、山の手入れを日常的に出来る力が無くてはならないだろう。しかし、それほどの力は、今のところないし、今後もそんな力が復活できそうな道筋も見えない。
山里の人々の力が衰えて、山奥からイノシシや鹿や、はては熊までも遠慮なく里に下りて来るようになって久しいが、これからは山の木々も、人々の生活を圧迫する方向で勢いを強めていくのかもしれない。
先ほど話に出した、各地の山火事の問題だけど、人々が山の手入れをしていた頃は、もう少し火に対して強かったかもな、と思うことがある。人が手を入れていない山林、それも杉や桧を植林して、その後手入れが行き届かなくて放置したような山林は、荒廃が酷くて大雨が降ると土壌が流れやすく、下草はほとんど生えずに、杉や桧の落ち葉だけが降り積もる。これは、いざ火事になったら手が付けられないだろう。
今年の春は、日本の各地で大規模な山火事の事件が続いた。日本だけでなく、韓国でも酷い山火事があったらしい。
こういった現象には、単なる偶然ではなくて、何らかの必然があるのだろう。理由はいくつか重なっているだろうし、「これが原因」と一つに決めつけられるような単純なものではないだろうが。
ただ、その原因の一つには、おそらく、人々に反省を促すものも含まれているのだろう。
0コメント