今回の冬は3月に入ってから立て続けに雪が降る。この週も水曜日にまとまった量の雪が降った。一時は道路にも積もるくらいだったが、やはり春の雪らしく、解けるのも早い。雪解けの水が沢に流れ込み、枯れていた沢の水量も安定してきた。
雪が降ったかと思えば、春を通り越して初夏を思わせる気温の上昇があり、これでは体がついていくだけでも大変になる。この暖かさは一週間ほど続いて、また週末からは低温になるとか。
今日の日曜日は伸びやかな暖かい日だったので、これを機に冬物の衣類の洗濯を大量にこなして、もうタンスにしまいこんじゃおうかと思ってたけど、まだ寒さが完全に終わったわけではないらしい。
山では一番早く新芽を出す木々が、芽吹きの季節を迎えた。これから新緑に向けて一気に加速していくだろう。ハクモクレンの開花もそろそろだ。ただこの花、咲いても散るまで白い花の姿をとどめる事は珍しい。大概、開花中に低温の日々が訪れ、花に霜が降りて、白い花びらが茶色く萎れて終わってしまう。次の週末に訪れると言う低温も、そんな影響を与えるかもしれない。
そんな中、この土日は、暖かさに誘われたのか、行楽の車が多かった。これも冬の終わりを告げる光景だろう。
前回の日記で富士山の噴火に対する備えの話を書いた。そしたらつい先日、それに関わるニュースがあった。富士山のような大規模な火山噴火が起こった際、社会全体はどう対応するのか、専門家などで作る国の検討会が方針を取りまとたという。やはり考える所では日々考えているのだろう。
そこでは火山灰が降り注いだ場合についての方針も示されていて、ある程度の灰だったら自宅で生活を続けていくのだけど、灰が30センチも積もるようになると、原則、避難すべきという基準を示した。どうやら30センチというのは、家の屋根に火山灰が積もったら、家が倒壊しかねない線らしい。火山灰そのものの重さもさることながら、降り積もった火山灰に雨が降り注ぐと、火山灰が雨を吸収して更に重量が増す。その話を聞いて、なるほど怖いものだなぁと思った。
これが雪だったら、どんな豪雪でも、いずれ解けて消えて行ってくれる。しかし火山灰となると、人力でどうにかしないと消えて行ってはくれない。
これは台風19号の際の、土砂崩れを起こした現場の復興作業の風景を思い出すのだけど、とりあえず山から流れ出た土砂を、道路の両側に積み重ねて、車の通行を確保するだけでも当初は大変だった。その時も、これが土砂じゃなくて雪だったら自然に日々姿を小さくしてくれるのにと思ったものだった。
しかし結局、これらの土砂は、どこかに持っていくしか、無くなってくれるはずがない。
火山灰となると、屋根に積もると言うのがやっかいだ。これは経験した事のない災害で、いざ実際に始まったら途方に暮れるだろう。また仮に、屋根に積もった火山灰の除去が済んだとしても、それをどこに捨てるのかといった問題は残る。道路は車の交通を確保するためにも、いち早く火山灰の除去作業が行われるだろうけれど、回収した灰の処理の手順が決まっていないと、右往左往するだけで時間が過ぎてしまう。
一度回収した灰を仮置きする場所。その仮置き場から最終的に処分する場所への運搬。その処分方法。今の内から考えておかないと、いざ火山活動が始まってからでは遅すぎる。
こういった、火山灰の処理方法って、どんなものが有るのだろうね。私には海に捨てるくらいしか思いつかない。もしくは、川沿いの河川敷に積み上げておくか。そういった場所に置いておけば、台風などの大雨が降った際に流れて、海へと運んでいく。
これは火山灰ではなくて土砂であったら、既に実行している。今の日本の川は所々がダムでせき止められているので、川の上流から流れてきた土砂はダムで溜まってしまい、海まで流れつかない。山からの土砂の供給が減ったために、海辺の砂浜はその面積を年々減らしていく。やがて海岸線が徐々に内陸へと進んでいく。
相模川でも、河川敷に土砂を置いて、嵐の日などの川の増水時に土砂を海まで運んでもらう事をしているらしい。
こうして改めて考えてみると、火山の噴火って、そりゃあ災害だし災難には違いないけれど、日々、海の波に陸地が浸食されて陸地の面積が減っている事を思うと、陸地の材料を供給してくれているとも言える。もし地球の火山活動が終わってしまったら、いずれ陸地は全て海の波に削られて、陸地は無くなってしまうだろう。
災難には違いないが、その存在が、人類が地球で生きていける条件でもある。
でも、実際に火山が噴火して火山灰が降ってきたら、そんなことを考える余裕は無くなって、ひたすら火山の噴火を恨んでいるだろうな。
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