2月も終わろうとしているが、今回の冬は寒かったのか暖冬だったのかと思い返してみると、決して暖冬ではなかったように思う。昨年の秋ごろに出た長期予報では、寒さは一時的で、すぐに暖かい日々が続くような話だったと思う。私の印象ではむしろ逆で、一時的に暖かさがやってきても、すぐに次の寒波が来る、という感じだった。
ここ数日は冷え込みも厳しく、また風も冷たかった。時には暗く荒々しい雲が押し寄せてきて、風花をまき散らしていった。こういう日は、とりわけ寒く感じる。ただ、今の寒波が終わったら、いよいよ春の陽気になると予報は言っている。
暖冬だと、スキー場の雪不足が問題になるけれど、今回の冬は豪雪の冬と言ってもいいだろう。雪どころか、ろくな降水も無い関東に住んでいると、なかなか実感が湧かないけれど、雪国では記録的な豪雪になったらしい。ただこれは、決して寒い冬になったというわけではなく、海水温が高かった事が原因で、雪を降らせるための湿気の供給が大量にあった事が大きいらしい。豪雪なんて聞くと寒冷化を想像しがちだが、これも温暖化の影響が強いようだ。
雪国は大変だろうな、と思っていたら、無人運転の除雪機の開発をしているというニュースを見た。わざわざ人が操縦しなくても、機械が自動的に除雪してくれるらしい。
多くの人に必要とされている技術だろう。早く市販化されればいいが。
似たような話で私が欲しい技術といったら、夜中に、自動で畑の警備をする機械とかかなぁ。雑草の草刈りも同時にしながら、鹿やイノシシを追い払ってくれるような機械があると有難い。追い払う方法としては、機械から動物に向けて光を放ったり、警告の音を響かせたり、最後には唐辛子のエキスを混ぜた水を放射するような手段がありそうだ。
最初にあげた除雪機もそうだけど、人々が心底から欲しがってはいるが、まだ開発されていない技術や商品は多い事だろう。
最近、物価は上がるし給料は上がらないし、生きていくのにも未来が行き詰っている、という批判が多い。それひ加えて政府の有効策の無さも。
ただなぁ、欲しいものはあるのです。そいつを作ってくれたら確実に買ってくれる人もいるはずなのです。そういった需要と人々の願いに応える仕事なら、まだまだ沢山あるはずだし、それらの仕事を着実にこなしていけば、景気だって上がるし、世の中の明るさも増していくと思うのだけど。
人口減少社会を嘆く声は切実だし、それを解決させる知恵と実行も必要だけど、人口減少社会に備える技術も当然ある。前述の、無人運転が可能な除雪機とか、畑の監視をしてくれる無人の草刈り機なんて、まさにそうだ。
増税と物価高に嘆いたり怒ったりする声はよく聞くけれど、じゃあその解決策はとなると、「自分」がその解決をする主体だという意識は希薄になる。どこか、政府やら大企業が対策を講じてくれればいい、という期待に終始する。
なんか私には、民衆の気持ちがそこにある間は、増税と物価高の世の中は終わらないと思っている。欲しいと思うもの、必要とされるものを、とりあえず、下手でもいいから自分たちで作ってみようか、という意識になって初めて、世の中は動き始めるのではないか。
食料の値段が高騰していると嘆く声はあるけれど、第一次産業を自分たちで担うと言う声は出てこない。いつしか農業は、海外から農作物を安く輸入するものだと思うようになっていた。こんな状況に居続けたら、食料の問題を、自らの力で変えようと言う意識は生まれてこないだろう。
実のところ、期待したいのは、広く海外からも情報を仕入れて、「あ、この問題に対してはこういう解決法もあるのか」という気づきが、今後増えてくれたらなぁと思う。日本人と言うのは、海外で成功した先例を真似して、それを改良するのは上手いかもしれないけれど、問題や困難を解決する新技術を独力で開発するのは、妙に下手だ。
その理由は、どうも日本人は、天災の多い国土に生まれたせいか、問題があっても、「我慢する」という方向に意識が向きがちだから。
少し、ナマケモノの不真面目な発想になってもいいから、こういう商品があったら便利だろうなぁ、というものを、率直に作ってみたらどうだろう。「そんな道具は、ナマケモノが使うものだ」という批判があるだろうが。
よく思うのだけど、歴史上、初めて馬に乗ってみようと思ったのは、そうとうな変人だったに違いない。
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