このところ、この冬最後の強い寒波と言われている天気が続いている。たしかに、少し身が引き締まるような寒さで、晴れていても布団を干しても暖かく膨らんでくれない。かえって北風を取り込んで冷たくなってしまう感じだ。こんな時は、昔ながらの縁側のある家がいい。ガラス戸の内側の縁側に布団を並べて敷いておくと、北風には吹かれることなく、日光だけ浴びて布団が乾いてくれる。
とはいえ、そんな事を言ってられるだけ幸運かもしれない。日本海側は観測史上最大の記録を出すような積雪になっている。やhりこれには、海水温がいつもよりも暖かいのが原因なんじゃなかろうか。
シベリアとか南極とか、本格的に寒い場所では、案外と降雪は少ない。寒すぎると空気中の湿気が高くならず、雪にもならないのだろう。日本の日本海側が特殊なのは、日本海を南から北へと流れる暖流が、多量の水蒸気を供給している事がある。大陸から流れ込んで来た寒気が日本海で湿気を取り込み、そのまま日本列島の山脈にぶつかって、そこで大雪を降らせる。関東には、大雪を降らせきって湿気を失った北風が降りてきて、猛烈な乾燥状態になる。東京の冬で高気密高断熱の住居に住んでいると、加湿器がないと苦しいくらいらしい。
同じ太平洋側でも関ケ原から名古屋辺りまで雪が降るのは、この辺りは高い山脈が無く、湿気を含んだ寒気がそのまま太平洋まで通過するからだ。
こんな記録的な豪雪になると、温暖化なんて無いんじゃないか、という話も出て来るけれど、前述の通り、この豪雪は海水温の高さも関係しているはずだから、温暖化とも無関係ではないだろう。温暖化が進行しているから豪雪が降る、という理屈だってなりたつ。もっとも、さらに温暖化が進行したら、雪にならないで雨になってしまうかもしれないが。
時々この日記で、ゲリラ豪雨ならぬゲリラ豪雪、線状降水帯ならぬ線状降雪帯なんて言葉が使われる世の中になるんじゃないかと書いてきたけれど、どうやら既に、それが始まったっぽい。
それにしても、本当に冬らしい寒気はこれで終わりなのかな。これから春らしい陽気になるのだろうか。もう福寿草は咲き始めているが。
これから、夏の猛暑が普通になるように、冬の豪雪が普通になる時代が来るのかもしれない。まあそうなると、素人考えだけど、冬の間に降った雪をどこかに保管しておいて、夏の暑い盛りに、その雪をばら撒いてはくれまいか。これは、誰でも一度は考える素人考えだろうな。
実際に、このような工夫は雪国では行われていて、冬の間に溜めた雪で、夏の間の保冷に役立てている事例はあるらしい。主に農作物の保管用途らしいが。
これは3年前の動画の記事。
こういった事例が今後もっと増えていったら、雪も有難い自然の恵みになってくれるのかな。まあもともと、雪は自然の恵みであった事は変わらない。冬の間に高い山にどっさりと積もった雪が、春から初夏にかけて、解けて川に流れ、田畑を潤してきたのは昔ながらの自然の恵みだ。
ただ、今は別の問題もあるらしい。雪国では道路に積もった雪を解かすために、道路に水を通すパイプを埋めて、そこから水を出して道路の雪を解かす事が多い。この水には地下水を使う事が普通なのだけど、豪雪の時は大量に地下水を消費するので、地下水が足りなくなって、かえって水不足になるのだとか。豪雪の年ほど地下水が枯渇するというのは、なんか皮肉な話とも言える。
早い所、そんな問題も解決した、バランスのとれた雪対策が実現した世の中になってくれればな、とは思う。あまり、関東の人間があれこれ考えても実感が湧かないが。
丹沢にもようやく雪が積もった。かつては、12月の半ばくらいには、こんな光景が普通に見られていたと思う。しかし、近年は1月半ば以降でないと、雪をかぶった丹沢を見ることが難しくなりつつある。
こんなところも、10年前、20年前とは違った風景だ。
丹沢で鹿が増えすぎて山を荒らしているという話は、昔からあるが、かつて、丹沢にもっと雪が降っていた頃には、雪の為に冬を越えられずに死ぬしかも多かったそうな。それが、今では丹沢の雪では鹿にとって脅威ではなくなり、鹿の異常な増加に繋がっていく。
これも、10年前、20年前とは違った風景なのだろう。
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