2024年 10月27日

 10月も終わりに差し掛かっているが、なかなか寒くならない。朝晩でもストーブが欲しいと思わないのは、この時期としてはちょっと異例だ。それに、ほとんど爽やかな秋晴れというのも、ここ一週間は経験していない。いつも小雨が降るか、曇りかのどちらかだ。やはり、まだまだ日本近海の海水温が高いままなのではなかろうか。富士山はまだ冠雪していないとか。これも異例だそうな。

 それでも、少しずつ山の木々は色づき始めている。なかには葉っぱをすっかり散らして冬景色になってしまった木もある。木々の葉っぱの紅葉や落葉って、気温が低くなってから変化が始まるのではなくて、日照が短くなったら変化が始まるのかな。

 これから気候変動に関して、より議論は活発になるのか、それとも案外盛り上がらないのか。私は、日本国内ではまだ現状の気候変動に対して甘い認識があるようだけど、世界の方は、けっこう本気になっていくんじゃないかと思っている。世界が本気になれば、日本も従うしかなくなってくるだろう。

 日本国内の企業が、作った製品を海外に輸出する際に、その製品がどのくらいの温室効果ガスを出しているかウソ偽りなく公表しなくてはならないだろうし、その温室効果ガスの量が多いようなら、そのような製品は市場から締め出されるようになるかもしれない・・・というか、すでにその傾向は始まっている。

 製品そのものを製造する時に発生する温室効果ガスだけでなく、作った製品を海外に輸出する際の輸送に伴って排出される温室効果ガスについても、いろいろと規制の輪がかかってくる。特にヨーロッパではこの傾向は顕著だ。

 勿論、この流れには、単なる環境問題だけを重視した結果だけではなく、自国の産業を保護しようという思惑もあるのだろう。輸送に関わる温室効果ガスが問題になるのなら、いかに遠い外国から格安の商品が入ろうとしても、自国の商品のほうが環境に優しいものとして優遇されていく。

 これはグローバリズムとは真逆の、世界に障壁を作っていく流れになるけれど、何しろ言っている事には「地球環境を守るため」という正しさがあるので、この流れが国際的な標準になっていく事は止められないと思う。

 こういう時って、モノよりも文化を売っていると、有利になるのかな。アメリカのハリウッドみたいに、世界全体を市場にして映画を作る所は、モノづくりと違って、作品を輸出するのにそれほど温室効果ガスは関わってこないだろう。通信ですべて配送可能かもしれない。

 まあ、映画産業は特殊な例かもしれないけれど、これから、どんな産業も、我が企業は温室効果ガスを一切排出せずに活動しています、と言う所が増えていくんだろうな。

 私が、これから世界全体で、よりいっそう気候変動の問題に深刻に向き合うのではないかと想像する理由に、日本よりも世界全体の方が、既に気候変動の影響を厳しく受け始めていると思っているのがある。この夏、中国の重慶などの都市では、あまりの暑さに耐えがたくなった人々が、都市の地下街で涼んでいるという記事を見た。アマゾン川では渇水で河床が干上がっていたし、一方でサハラ砂漠では大雨が降って砂漠に湖ができていた。暴風雨の被害は全世界的に起きている。

 こんな異常気象が更に進めば、自国の食料生産すら安定して出来なくなってしまう。そうなったら死活問題だ。

 なんか、なんだかんだ言っても日本は島国で、酷暑やらゲリラ豪雨やらに見舞われても、世界標準から比較すれば、気候変動の影響は穏やかに進んでいる方なのだろう。そこに、日本の油断があるように思えてならない。

 これから世界的に、「このままではこの土地に住めない」と、人々が郷土を捨てて流民が増えて行く可能性だってあるだろう。もはや「安全保障」と言う言葉は、防衛だけのものでは無くなっていく。その土地で住み続けていけるかどうかが問われるのなら、それはもう国の存亡の問題だろう。

 さて、ここまで書いて来たけれど、杞憂で終わればいいが。

 でも、杞憂を期待して、対策を先延ばししていい時期は、とっくに終わっていると思うな。

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