2024年 10月6日

 10月に入る。気象庁は、この10月は10年に一度くらいの厚い10月になると言っている。また、11月に入ると急に涼しくなるとも。確かに、10月にしては、少し動くだけで汗ばむくらいの暑さと湿気がある。その一方、妙に雨も多い。たださすがに朝晩は普通に涼しいのが当たり前になってきた。

 前にも紹介した通り、次の13日と14日の連休は、篠原地区全体を会場にしたイベント「ぐるっとお散歩篠原展」がある。天気に恵まれてくれればいいのだけど、秋の天気は変わりやすいからな。週間天気予報も直前まで当てにならない。

 それにしても、ぐるっとお散歩篠原展が来るたびに思う。このイベントが始まった20年くらい前は、夕方になって陽がかげると急激に底冷えがして、厚手の防寒着を着込まないと寒くてたまらない感じだったのが、今ではシャツ一枚でも寒くない。こんなところから、気候の変化を実感させられる。以前の日記で、今年は彼岸花の勢いが弱い、と書いたけれど、その後、時期が遅れる形で咲き方が本調子になってきた。どうやら、咲く時期が遅れたようだ。これも気候の変化の影響だろうか。

 一つほっとしているのが、日本近海でポコポコと台風が次々と生まれているが、これが以前のように、秋雨前線を刺激して線状降水帯を作ると言うわけでもなく、このところ、雨も静かな降りに終始していること。まあ台風シーズンが終わるまで安心はできないが。

 ちょっと今回は牧馬とも篠原とも藤野とも関係ない話を。上の写真はグーグルマップからのもの。場所は新潟県の山の中。

 ここにはかつて、蒲原鉄道という私鉄が走っていたが、既に廃止されて久しい。その旧い駅舎が、そのまま地域の集会所に使われているようだ。防災用の道具を置いた物置も設置されている。ホームも綺麗に残っていて、かつては列車同士の交換(単線の鉄道なので、こういった駅ですれ違いをする)も行われていた。できれば写真と同じく、夏に行ってみたかったが。

 ネット上で地図を見ると、これはぜひ一度、行ってみたいと思う光景に出会います。思ったからには行かなければなぁ、とも思います。

 こうしている間にも、風景は刻々と変わっている。この集会所として使われている旧い駅舎も、いずれは老朽化して取り壊されて新しい建物になったり、ホームの跡も、駐車場を作るとか建物を建てるとか何かの理由で解体されて、何もない更地になる時が来るかもしれない。

 それに、上の写真は夏のものだけど、これから温暖化が進むと、それまで雪国だった所も、雪景色がまるで見られなくなる時代が来るかもしれない。そう考えると、何気ない風景に対しても、どこか惜別の気持ちが湧いてくる。

 そんなことを思いつつ、知人に話してみる。「君は、ささいなきっかけで見つけたような、どこか行ってみたい所はあるか」と聞いてみると、

「オーストラリアにね、ボイン川という川があって、川のある辺りはボイン渓谷の名前があって、ボイン・バレーという町もあって、その川が太平洋に流れつく所にはボイン島という島があって、ぶひひひh・・・」

 どうやらクイーンズランド州らしい。クイーンズランド州だって、ケアンズとかグレートバリアリーフとか、他にいくらでお勧めしたい観光地はあるだろう。まあ、そんな馬鹿らしいきっかけでも、行ってみたい所があるのは良い事なのかもしれない。

 幸い、グーグルマップですぐに現地の雰囲気が画像で判るのだから有難い。件の「ボイン・バレー」という町(というか小さな集落)を見て、おや?、と思った。前述の新潟の場所と、意外な共通点があったから。

 このオーストラリアの町も、廃止された鉄道の跡が残っていた。新潟の場所のように駅舎は残っていないけれど。掲載した上の写真のどこが廃線の線路跡か、わかりますか。

 気候だけではない。鉄道も含め、かつて栄えた産業が無くなったり、それに換わって新たな産業が栄えたりしながら、町の姿も風景も変わっていく。

 これからも風景は変わっていくのだろうが、その中には人間が変えていく風景もあれば、人間の力ではどうにもできないような力で強引に変わってしまう風景もあるだろう。

 少なくとも、人間の力で変えられる風景に関しては、より美しい方向に変えられるように、なってくれればと思う。

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