前回の日記で、藤野では台風による被害はさほど無い、と言った事を書いたけれど、小さな影響はあちこちに残っている。牧馬の近くでも小さな爪痕を残した。上の写真は、画像ではよく判らないかもしれないけれど、コーンで囲んである部分に陥没がある。台風による大雨のせいで、アスファルト舗装の下の土が流れて、そこが陥没したらしい。うっかり気づかないで車でここを通過すると、「ガツンッ」とけっこう激しい衝撃を受ける。当然、車にもよろしくない。
さっそく、市が陥没したところに車が通過しないように囲んだのだけど、修理はいつ頃に始まるのだろう。山の中の道とはいえ、意外とこの道を使う車は多いので、気を付けないと、この囲いが車の事故を招きかねない。
おりしも、今日の日曜日には、篠原牧馬自治会での防災訓練が行われた。今回の防災訓練は、避難場所への集合とか、住民全体の安否確認とか、防災を啓発する映像の視聴とか、いつもやる訓練もあったけれど、それ以外は住民同士の話し合いで費やされる、かなり特殊な集まりになった。
心臓マッサージの訓練とか、消火器を使った消火訓練とか、いつもながらの訓練よりも、実際に災害が発生した時に、どのような困難が予想されるのか、そして、どのような対策が考えられるのか、2時間近く話し合いが続いた。こういった防災訓練は初めての試みだったと思う。
いろんな話し合いの中でも、今どきの話題だな、と思ったものに、夏の暑い盛りで災害が発生し、電気が使えなくなった場合の暑さ対策はどうしたらいいか、という話があった。確かに、近年の異常な熱波は、高齢者や病人には切実な問題になりつつある。
この問題の対策として、川で涼んだらどうだ、と、いかにも山里らしい提案もあった。まあ他には、水風呂に入ってたらどうだ、とか。ただ私としては、この問題は、太陽電池のような自家発電設備と蓄電池を導入して、「この部屋は、たとえ停電時でも確実に筋しくできる」という部屋を確保するしかないんじゃないかなぁと思う。高齢者や病人には、そんな、暑さを避けるためのシェルターが必要になってくるに違いない。
他にアイデアを出すとしたら、これは、牧馬や篠原には近くにないのだけど、トンネルを使ったらどうだろう、とも考えた。山里のトンネルには、昔作られたトンネルから、より新しいトンネルが作られることがある。古い方は「旧〇〇トンネル」として残されるけれど、こういうトンネルは、ほとんど車は通過しなくなる。あまり短いトンネルだと意味が無いが、ある程度の長さのあるトンネルだと、夏の暑い盛りでもけっこう涼しい。そんなトンネルを避暑の為のシェルターにしたらどうかと思うけれど、地震で被災した時は、いくら涼しいからといって、わざわざ余震で崩れるかもしれない古いトンネルなんかにいたくないよな。
やっぱり、変なアイデアに頼るよりも、冷房に頼った方がいいだろうな。
災害時のトイレの話もあった。能登の地震では下水道が損傷を受けて使用できなくなり、トイレの問題で、けっこう長い期間、悩みが続いたと言う話を聞く。そんな話から、段ボールとビニール袋で作る簡易トイレの準備とか、実際に使用できるのか訓練する必要があるのではないか、とか、いったんビニール袋に入れた排泄物をどう処理したらいいか、といった話も出た。
ただ自分は、もうちょっと別な事も考えた。牧馬や篠原のような山里では、すべての家に下水道を行きわたらせるよりは、各家庭に合併浄化槽を設置したほうが経済的になる。なので、実際、各家庭に合併浄化槽があるわけだ。
この合併浄化槽を、停電や断水の状況でも、使える状態にするには、どうしたらいいだろう。災害で家そのものとか浄化槽そのものが壊れてしまったら仕方がないが、設備が災害でも生き残っているのなら、工夫して使えるだけ使った方が、被災者にとってもストレスが少なくなる。
合併浄化槽が汚水を処理するのに必要な電力は、浄化槽の中に空気を送るブロアの為のもので、これは、それほど大電力ではない。この電力だけでも賄えるだけの電気を、太陽電池で補おうとしたら、必要な太陽電池パネルの大きさは、どれくらいだろう。それに、ブロアも、24時間フルで動かさなければ汚水を浄化してくれる細菌が死滅するわけではないと思う。太陽電池が動く昼間だけ空気を入れて、夜は空気を入れるのを休んでも、なんとかなるのではないか。
トイレ本体にも問題が出てくる。最近は、デザインがすっきりしているタンクレス式のトイレが流行っているけれど、これは停電の時は使えない。これも、停電時には、太陽電池などで自家発電した電気を使えばいいという考え方もあるけれど、タンク式のトイレだったら、停電時でも風呂の残り湯などをトイレのタンクに入れて使う事もできる。更に水が必要な場合は、家の外に、雨水をためるタンクを用意して、その水を使うのもいい。
災害が発生しても、一週間分くらいの食料は確保しておこう、という話があるように、停電や断水が発生しても、しばらくはトイレが使い続けられる手段を考えてもいいのではないか。
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