この週は二回降水があり、そのどちらも牧馬では雪になった。道路の除雪が必要になるような雪ではなかったが、丹沢の標高の高い方では、けっこう積もったらしい。冬が戻ったような冷たく乾いた風が吹き荒れ、空も冬が戻ったかのように青かった。
篠原牧馬自治会で防災訓練が行われた。これまで、防災訓練といったら9月の適当な時期の日曜日に、年一回やるだけだったけれど、今年度から年二回やってみることになったらしい。今回は地震体験車がやってきた。私が知る限り、ここ30年でも地震体験車が篠原に来る事は無かった気がする。
参加した住民が二人ずつ車に乗り込み、震度7の揺れを体験してみる。自分がこれまで経験した最大震度は5強くらいだけど、確かに、私が体験した事のない揺れを味わった。とはいえ、実際の本物の震度7というのは、もっと恐ろしいものなんだろうなぁとも思った。実際の地震は、落ち着いた気持ちで椅子に座り、「さあこれから揺れますよ」なんて言われながら経験するものではない。
明日は3月11日。今年は元旦に能登半島で大地震があった。千葉県の東方沖では地震が頻発している。どうしたって災害に対して関心を持たざるを得なくなる。
地震体験車の後は、おなじみのAEDの実習と心臓マッサージの体験。今は心臓マッサージと言うよりも、胸骨圧迫と言う方が主流みたいだ。ちゃんと胸骨圧迫が出来てるかどうかを測る小さな器具を使い、参加者はその器具を必死になってリズムを付けて押してみる。心臓を動かして血流を維持できるような、十分な押し方をすれば中の笛が鳴るのだけど、これが意外と鳴らない。そこに参加者は四苦八苦する。
胸骨圧迫のリズムって、一分間に100から120の拍子なのだとか。そういわれてもすぐにはピンと来ないけれど、よく紹介されるのに、アンパンマンの主題歌とか、ドラえもんの主題歌とか、「もしもしかめよ」なんかが引き合いに出されるらしい。好きな人は、「bpm100」とか「bpm120」で検索してみて、馴染みの曲を探すのもいいかもしれない。スピッツの「チェリー」なんてちょうどいいかもしれん。
アメリカではこの曲が推奨されるそうな。
心臓の動きが停止して血液が体を巡らなくなると、体の各部で痛みが進行してしまう。とにかく血流を止めない努力をして欲しいと、その場に来てくれた救急救命士の方は話してくれた。とは言うものの、救急車の到着まで胸骨圧迫を続けるのは大変だろう。
この防災訓練では、2024年の2月で消費期限の切れる備蓄用のビスケットが配られた。「どうぞ、参加者の皆さんで食べてください」と。勿論、これに代わる新たなビスケットが備蓄される。その消費期限切れのビスケットを食べてみたけれど、十分においしかった。もちろん、ビスケットだけ食べると口の中がパサパサになるので、適当な飲み物が欲しくなるが。
あー、でも能登の地震では、飲み水にも苦労した時期が長く続いた所が多かったそうな。缶詰とかレトルトとか、保存食はあるから大丈夫とはいかないらしい。いざ災害の現場に放り込まれると、清潔な水を得るのにも不自由を強いられる。
ここまで大都市が発展して、上下水道が整備された時代にこんな事を言うのは時代錯誤にもほどがあると言われそうだけど、地域に新鮮な湧水がある所と言うのは、安心感が違うだろうな。今ではすっかり、水と言えば、どこか遠い山のダムから、長い管をつないで遠路はるばる自宅の蛇口に届くものだと思われている。江戸時代と言わず、昭和の中頃までは、水はもっと身近な所から得るものだったけれど。
東日本大震災から13年を経て、少しは災害に強い世の中になったかと期待はしてみたけれど、能登の地震を見ると、まだ道半ばという気がする。
以前から何度かここで、災害に強い暮らしを身に付けるには、キャンプをしたらいい、と言った事を書いて来た。最近は疫病の影響も和らいで、一時期のようなキャンプブームは落ち着きつつあるらしい。まあ私も、あまり猫も杓子もキャンプ地に集まるような狂騒的な流行は好ましくないとは思っていた。
でもやはり、水や食料やエネルギーや、普段の暮らしの快適さが制限されるキャンプというのは、災害に備えるという意味ではかなり有効だと私は考えている。非常食なんかも、美味しいものとそうでないものの差がけっこうあるらしい。
キャンプ慣れしている人なら、非常食の中でも美味しいものはこれ、という知識も豊富かもしれない。
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