2024年 2月4日

 少しずつ陽は長さを増して、夕方5時でも明るくなった。それほど寒さの厳しさは感じないものの、今度の月曜日と火曜日は雪になるらしい。暖冬だから雪が降っても大したことはなかろうというものではないようで、暖冬だから湿気の供給も大量にあるせいで、ドカ雪になる事もあるとか。まあそういえば、厳しい寒さの冬は、案外、関東はずっと紺碧の晴天が続いて雪すら降らない。

 もちろん、念のため車にチェーンは積んでおく。四輪駆動でタイヤがスタッドレスでも登れない坂道と言うものだって身近に存在する。そんな坂でも、チェーンを付ければ登れるものだし、下れるものだ。

 もう10年近く前になるが、藤野にとんでもない大雪が降って、地元の古老も経験したことのない、1メートルもの積雪に、地域は完全にストップしたのは記憶に新しい。これも、一説には暖冬が影響しているという。まさかあんな大雪が、そう2度3度と起きるとはとても思えないが。

 そうはいっても、念のため、食料を備蓄しておいた。なにしろあの時は家から一歩も出られない日々が、4~5日続いたからね。あの時は食料の備蓄は十分にあったけれど、紅茶とかの嗜好品が切れたのが残念だった。

 ・・・こんな発言は、今もなお苦しんでいる北陸の被災者には申し訳ない。

 漫画の原作をテレビのドラマにする際に、原作者の漫画家の意向を無視したとかで、原作者が自殺するという痛ましい事件が世間を賑わせている。私は現場を知っている人間ではないので、こういった話に安易に自分の意見を表明すべきではないだろう。もっとも、自分の意見を表明している方々を否定するものではないが。

 ただ、私がこれまで見てきた映像作品でも、「これは実に原作を上手に映像化したものだ」と感心させられた作品だってある。小説や漫画からの実写映画化というのは、ただでさえ制約が多い。全20巻の長編作品を90分や120分の時間に詰め込むのは難しいし、小説に出来て映像にはできない表現形式もあれば、その逆もある。そもそもが難しい作業なのだろう。

 それでも、前述の通り、「これはよくできた映画だ」と感心させるものだってあるわけで、問題は、どうやったら構造的に、成功例が増える制作環境を作っていくかにあるのだと思う。

 一つはやっぱり、そこn参加する人間に、作品に対する愛情があり、自分の仕事に魂を込められるかにあるのだろう。こんな事を言うと、綺麗ごとに聞こえるかもしれない。実際の制作現場は、限られた予算と人員と設備と時間で、次々と仕事をこなしてかなければならない修羅場で、とてもそんな「魂を込める」ような余裕はないと。

 しかし私には、長い目で見れば、結局、自分の仕事に愛情と魂を注ぎこめる現場で作られたものが残っていき、それを軽視したところが淘汰されていくのではないかと考えている。これは映像などの文化や芸術に関わる仕事だけではなく、工業のような物づくりだって同様だろう。

 現場に、「いい仕事をしていこう」という気概や気風がみなぎってきたら、それを持続させ、枯れさせない工夫が必要になって来る。その工夫の最大のものは、ある程度、無駄を許容する事だと思う。

 無駄話、無駄な付き合い、無駄な飲食。こうして無駄が積み重なって来ると、そこに集まる人々の「いい仕事をしよう」という気持ちが、より具体的に、より発展的になっていく。

 どうも近年にいたるまで、「時は金なり」の考えばかりが幅をきかせてきたのかしらないが、とにかく無駄と思えるものを削減して効率化こそ正義だと言う風潮になっていたと思う。しかし、そのような環境で、果たしていいものができるかどうか。

 私が見た所、あまりにも効率化ばかりを考えると、良い仕事をしようとするよりも、最低限の仕事しかしたくない、という風潮しか残さないのではないか。そんな気風になってしまったら、自分の仕事に愛情も魂も注ぐはずがない。

 当然、無駄だらけの仕事場と言うのも間違っている。私は別に、非効率を推奨しようと言うのではない。しかし、効率効率と言って無駄と思えるものを省いた挙句、現場からやる気が無くなって人々の心がバラバラになる事は、果たして効率的なのだろうか。それこそ、最大の非効率的な結果と言えないか。

 それに、現場に「いい仕事をしていこう」という気風がみなぎれば、そこに参加する人々だって、率先して無駄を省いて仕事のしやすい環境を作っていくと思うのだけど。

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