2024年 1月28日

 この週は、やや強めの寒波が来た。水曜日は季節風が吹き荒れ、滋賀県では大雪になり、高速道路では立ち往生する車が大量に発生したとか。ただこの寒波も、次の週には力を無くして、今度はかなりの暖かさになるとか。やはり、あまり冬らしい冬は長く続かない。

 梅が咲いている所に、やたらと賑やかな鳥たちがたむろしている。鳥は、季節の変化を気温ではなく日照時間で体感していると言う話を聞いたことがある。もしかしたら、伸び始めた日照を感じながら、春の準備を始めているのかもしれない。

 この日は、牧馬の各地を回る必要があった。あちこちで起きている問題について、話す機会を設けたからだ。一つの問題は、小さな道路で路肩が崩れかかっているという話。実際に見て回り、どこら辺が特にひどく崩れかかっているかを写真に撮りながら回っていく。

 一応、車のすれ違いも出来ない小さな道とはいえ、市道になっている。問題点を自治会を通して訴えかければ、そのまま放置という事にはならないと思う。ただ、行政が緊急性を感じて早急に対応してくれるかと言うと、どうだろう。優先順位が高い課題としてとらえてくれるかどうか。

 決して通行量が多い道ではない。しかし、今日もハンターは多数の車で山に入る際に、この道を使って行ったし、いざ山火事でも起これば重要な消火活動のために重要な道になる。

 とはいうものの、これから10年後、20年後を思う時、こういった道路が、現状と同じように維持管理されるかと言えば、確信がもてない。なんだかんだと理由を付けて、この道は放棄します、と宣言される日も来るのではないか。

 道路でも建物でもダムでも、今後も作り続ければいいと言う時代は終わりかけている。維持管理にかかる金額を用意できなくなって、どこかの時点で「選択と集中」を行って、お金をかけて維持し続ける所と、いっそ放棄する所を分ける時が来るだろう。

 ただ、あまり悲観するのも知恵が無いようにも思う。例えば、遠い未来、道路がいらなくなる世の中だって来ないとも限らない。最近はドローンによる空中撮影が当たり前のようにおこなわれるに至ったが、一人乗り程度の小型の有人ドローンなんかが実用化されて、普通に飛ぶようになる日は、いつごろに来るだろう。遠い未来の話のようだけど、農薬散布などの目的のドローンはすでにある。新しい技術は、少しずつ農村の風景も変えている。

 もう一つ、牧馬の問題点として、ある住宅に覆いかぶさるように成長した木の問題があった。見に行くと、確かに木の一部の枝が家の上部に張り出し、そこから秋になると大量の葉っぱを落とすので、屋根が常に湿って痛みが早くなってしまうと言う。

 よく現場を見てみると、どうも、余計な枝を一本切れば済むような問題ではなさそうだ。

「この場合、木を根元から切るしかないんじゃないのか」

 そう思ったけれど、これだけの巨木を伐ろうと思ったら、かなりの金額がかかるのは容易に想像がつく。「ここまで木が大きくなる前に、先手を打って伐っておくことはできなかったのか」とは思うが、今となっては手遅れだ。

 こういう木の問題は、今はどこにでもあるんだろう。危険な木をきるのには、普通の林業の伐採とは全く違うお金のかかり方をする。木を根元から倒せるような敷地が無い場合、木の上部から小分けにして伐っていく必要が出て来るし、場合によってはクレーンで釣り上げながら伐っていく作業が必要な事もある。そうなるとクレーンの費用もかかるし、木が道路沿いにあるような場合、危険な作業中に通行する車を一時停止させるために、交通の誘導をする警備の人を雇う必要も出てくる。そんな理由を重ねていくうちに、費用はどんどんかさんでいく。

 最近になって、市でも、このような支障木の伐採に助成をする制度を始めたとか。予算も限られているので、早い者勝ちのようだけど、そういった制度だってないよりもあった方が勿論ありがたい。

 これが昔だったら、元気な村人が自力で倒していたかもしれないし、倒した後は薪として有効に活用していたかもしれない。でも、今の山里には、そのような力は残っていないのだ。

 今日は、地震があった。年始の北陸の地震もあり、なんだか日本各地で地震が続いているように見える。

 これからも災害は続くだろう。そういった災害に耐えられるタフさをどうやってつけて行くか。今後の地域の課題になっていくに違いない。


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