このところ11月にしては妙に暖かい日が続いたが、時雨が通過して急に冷え込んだ。ケヤキの葉っぱも柿の葉っぱも、一気に落葉を速めている。今日は一日、気温は10度を越えなかったようだ。北海道や青森ではけっこうな積雪の話が聞こえてきている。
寒さは人間にとって辛く厳しいものだけど、この夏の暑さや暖冬を普通に経験するようになると、かえって厳しい冬の方が、ほっとしてしまう。ちゃんと季節が巡っているような気がするから。今は、あちこちの家の軒先に干し柿が吊るされているけれど、きりっとした厳しい木枯らしが吹き抜けるようでないと、ちゃんとした干し柿を作るのは難しくなる。年々、藤野では干し柿を作るのが不向きな土地になりつつあるんじゃないかと思う。晩秋でも妙に暖かいと、せっかく吊るした干し柿も綺麗に乾かず、虫にたかられて痛んでしまう。
気候変動が続くと、藤野で干し柿を作ろうと思ったら、「冷蔵庫に入れてください」なんて事になりやしないか。
一応、11月の下旬にもなると、藤野では突然の積雪もありえなくはない。実際、数年前にそんな雪があったはずだ。なので、ぼちぼち車のタイヤをスタッドレスに替えてもいい頃ではある。ただ、これも気候変動の話かもしれないが、ここ数年、藤野では大雪と言うのを経験しなくなっている。そうなると、スタッドレスはいらないんじゃないか、という人も増えて来る。
スタッドレスはやめて、オールシーズンタイヤを使う事にした、という知り合いも出てきた。オールシーズンタイヤは、スタッドレスほどの雪に対する強さはないものの、それなりに雪道でも走れる性能はある。晩秋と春にタイヤを交換する手間暇が煩わしいと思う人なら、オールシーズンタイヤを選ぶ人も増えて来るだろう。正直、自分も少し迷う。
でも、登り下りの多い山道を走る事もあるし、沢沿いや橋の上などの道では、いきなり路面が凍結していたりもする。そのあたりの事も考えると、やはりまだスタッドレスかなぁとも考える。こんなところにも、気候の変化は影響を与える。
気候が変わって、暖冬が当たり前になる時代が来るかもしれない。とはいえ、私としてはしばらく真冬の備えはしておくつもりだ。そう考える理由の一例に、こんなことがある。
何年か暖冬が続いて、いきなり寒い冬が来たとする。大概、こういう時に、あちこちも家で水道管が破裂したり給湯器が凍結で壊れたりして大騒ぎになる。たとえ暖冬傾向が続くにしても、10年に一回は本格的な真冬が来ると考えれば、やはり冬の備えは厳しい寒さを想定したものにするのが標準だと思う。10年に一回猛暑が来るのと、10年に一回寒い冬が来るのとでは、冬の方が家のあちこちが壊れる可能性があるぶん、冬の方が用心した方がいいかもしれない。
このことは時々この日記で書いているけれど、実際に手足を使って働く人々が少なくなってしまい、仕事が成り立たない現場も増えてきた。運転手が確保できないという理由で、タクシーの会社やバスの会社が規模を縮小したり廃業するニュースが、時々報じられる。同じことは介護や保育の分野とか、製造業とか機械の整備をする分野とか、あちこちで似たような現象が起きているのだろう。
そんな話を思う時、そういった業種でどんな生き残り策が在るかと考えることがある。まあ単純に考えれば「給料を上げればいい」という話になるが、給料を上げても物価が上がればその効果も期待できなくなる。
もしかしたら、お金をあげるよりも現物を上げた方が、これからは魅力的になるのかな。例えば職場に寮のような住居を設定して、働いてくれるならタダで住んでくれてもかまわない、とか。
ある程度の規模の企業では社員食堂は普通にあるけれど、規模の小さい所でも自社の中に食堂を作って低価格の食事を出すとか。もしくは給料と一緒に食材も提供するとか。
物価の変動に左右されない職場という考え方も、これからは魅力的になるかもしれない。
会社が住むところも提供するとなると、働き方にも幅が広がって来る。例えば、今は複数の仕事を同時並行で行うような働き方をする人も増えてきたかもしれない。月曜日と火曜日はAで働き、水曜日と木曜日はBで働き、金曜日と土曜日はCで働くとか。
時には、週に2~3日働きに行くのに、片道2時間とか3時間かかるような仕事を選ぶ事もあるかもしれない。そんな場合、その会社が自社の中に宿泊施設を持っているのは、強みになるんじゃなかろうか。
そんな事を考えた。
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