どうやら梅雨明けらしい。振り返ってみると、この梅雨は連日のように豪雨被害を報じるニュースが溢れたが、藤野に関してはカラ梅雨とはいかないものの、やや雨の少ない梅雨になったと思う。ある時は九州で、ある時は中国地方や北陸で、ある時は東海や東北や北海道でと、豪雨被害に遭っている話を見てきたが、南関東はそんな被害からすり抜けた感じだった。とはいえ、関東各地でもゲリラ豪雨とか突風とか、かなり極端な気候に襲われていたけれど。
梅雨が明ければ、日本列島全体が高気圧に覆われて、猛烈に暑いものの安定した天気が続くようになる。これはこれで厳しい気候だけど、豪雨被害よりはマシかもしれない。これからが夏本番なんだけど、日差しは既に傾きを感じさせる。既に夏至からはひと月が経っている。
それにしてもな、ここ数年、特に感じさせるのだけど、毎年のように日本のどこかが豪雨被害に遭う。物騒な例えだけど、私には何だか毎年日本が空襲されているような気がする。こう毎年のように各地が叩かれると、復旧のスピードよりも攻撃のスピードの方が勝って、日本の都市が徐々に縮小していくのではないか。
これは決して冗談ではなく、実際、鉄道なんかはその道を辿っているように見える。豪雨被害に遭った路線が、復旧するよりも先に更に打撃を受けて、復旧する糸口から遠ざかるばかりになっている。そのまま復旧させずに放棄される路線も出て来るだろう。
たぶん、そう遠くない将来、豪雨被害が毎年のように襲ってくることを前提とした、町づくりの形とか、国土利用の形を考えていく事になるのだろうな、と思う。災害が起きても被害を最小限に抑え、復旧が簡単にできるような生活基盤の形が求められていく。
これは、どこか撤退戦に似ていて、それまで攻勢に出ていた軍勢をいったん引いて、少ない人員でも固く守れる所まで戦線を縮小していく。その過程で、維持することを諦めて放棄する場所も出てくる。
これからの未来、川が増水して浸水被害が発生するような所は、始めから都市開発はしないようになるだろうし、既に都市開発したところでも、水害の度に復旧の費用がかさむと判断された所は、復旧を諦めて住民を撤退させて町を放棄する所もでてくるかもしれない。
考えてみれば、戦後、膨大な数の人間が都市に押し寄せてきて、むりやり町を拡大させてきた経緯がある。その開発の中では、本来は人が住んではいけないような場所にむりやり町を作った所も多いと思う。
これから、無理を押して作られた町が少しずつ消えていき、無理をせずに維持してきた町が残っていく・・・という流れになっていくんじゃないかなぁ。
極端な気候は世界的なもので、世界各地から豪雨や熱波の話が伝わってくる。豪雨でもそうだけど、熱波でも多数の犠牲者がでているらしい。
前述したように、これから町の形が変わっていくと書いたが、家の形も変わっていくかもしれないな、と思う。竜巻のような強風に襲われても、うまく風を受け流すような家の作りとか、熱波の中でも室内は涼しい家とか。後者の方は、極力エネルギーを使わなくても涼しい家を実現できるような技術が求められる。
もちろんこんな事は、日本中の住宅メーカーも、日本中の設計士も、はるか昔から考え続けて来た事だろう。夏は涼しく冬は暖かく、それでいてむりやりエアコンを使ってそれらの要求を実現するのではなく、なるべく自然の力をうまく使って解決していく事。
私の素人考えだけど、そういう家を作ろうとしたら、家の形が変わっていくだろうし、特に屋根のかたちや仕組みなんて、相当変化していくんじゃなないのか。
いや、もしかしたら、茅葺屋根の復活なんて事も起こっているかもしれない。勿論、昔ながらの茅葺屋根ではなく、未来的な形の茅葺屋根だけど。
未来のハイテクを使えば、そんな奇想天外な家の形だって、生まれて来るかもしれない。
話は変わるけれど、近年になって、少しずつ電気自動車を見ることも珍しくなくなってきた。やがて普及が進めば、自動車の総量の1割、2割、3割と、電気自動車が占める比率が増えて行くと思う。
そうなると、大都会なんかは少しは暑さが和らぐのだろうか。考えてみれば、内燃機関の車は、中で石油を絶えず燃やしているわけで、そんな車が大量に走り回れば、そりゃあ、都市が暑くなるのも当然だ。
これからも、少しずつ、町の形は変わっていくのだろう。
0コメント