2023年 7月9日

 ヤマユリが咲き始めた。ヤマユリは蜜が多い花なのだろうか、よく蝶が飛んでくる。いよいよ夏本番に入ったと思う。梅雨明けは未だだけど、藤野に関して言えば、雨が降るのは週に2~3日くらいで、その降り方も一日を通して降るのではなく、湿り気の多そうな雲をたたえた空から、時折、気まぐれに降るような雨が多い。

 その一方で、夏の暑さは本格的な感じになってきて、草刈りをするだけで滝のような大汗をかく。それでも草刈りをしないとイノシシとかが安心して里に下りて来るからな。

 つい先日、イノシシの罠に熊がかかった。65キロのオスのツキノワグマだそうだが、やはり殺処分されたらしい。気の毒な気持ちもあるが、学校の通学路が近いとか理由があると、そうも言ってられない。昔みたいに、熊だけでなく、イノシシも鹿も里に下りてこないような山里に戻すには、どうしたらいいものか。住みわけが出来ていれば、お互いにとっていいはずなんだけど。

 先ほど、草刈りで滝のような大汗をかく、と書いたけれど、つらい作業なのは確かかもしれないが、人間の体にとっては大事な経験だと実感している。

 夏前に、しっかりと汗をかいて、体を夏向きに整える作業というものが、人間の体には確かに必要みたいだ。この作業をしないままだと、なかなか体が夏の暑さに耐えることが出来なくなる。

 夏の始めの大汗って、どこかベタベタしていて匂いもある。汗を拭くタオルが臭くなるので、時々熱湯につけて洗う必要があるほど。でも、そんな汗を数日かき続けると、次第に汗の感じが変わって来る。べたつきがなくなり、水のようにさらさらした汗になり、匂いもない。こういう汗が出るようになったら、自分の体が夏向きになった証拠だと思っている。

 また、夏の間にしっかりと夏向きの体にならないと、今度は冬になって体調を崩す事があるようだ。もちろん、最近の猛烈な暑さの前では、特に高齢者や病人には遠慮なく冷房を使うべきだと思うけれど、冷房の使い過ぎは、やはり体には毒だと思っている。その人の日頃の仕事の内容によっては、なかなか集中して汗を大量にかく機会すら無い人も多いだろう。そんな場合でも、ジムに通うとか、風呂にゆっくりつかるとか、今流行っているらしいサウナを利用してみるとか、「夏にしっかりと汗をかく」という機会は、意識的に作った方がいいのではないか。

 どこまで効果のある話か知らないが、夏にしっかりと汗をかいた翌年ほど、杉花粉に悩まされずに済む、という経験談をしてくれた人がいたが。

 もう一つ体に関連した話で、ここ一週間ほど、どういう偶然か、複数の知人から「腰を痛めた」という話を聞かされた。そして、その知人全てが、デスクワークの仕事の人で、集中してパソコンに向き合うような仕事の人ばかりだった。医者でもない私が因果関係を語るのは間違いかもしれないが、職業病というのは、あるんじゃないかなぁ。座りっぱなしと言うのは、体に過酷な痛みを蓄積させるのだと思う。

 なので、友人知人に腰痛で悩む人がいた場合、「散歩でもしてみたら」と提案することが多いのだけど、かえって腰を悪くする歩き方というのもあるらしいね。

【腰痛】絶対にやってはいけない歩き方

 まあとにかく、そういった事に注意を払いながらも、汗をかいて体を動かす事は、健康を維持する上で大事だと思う。

 もう一つ、ちゃんと体を使わないと不健康になる所がある。それは体の健康ではなくて心の健康だけど。

 昔の農作業なんて、例えば田んぼで田植えをする時とか、みんなで体を動かして、みんなで汗をかいて、みんなで休憩したり食事をしたりしていたのだと思う。

 でも今は、経営者は空調の効いた快適な部屋で部下に指示して、階級の低い人ほど体を動かして大汗をかく仕事に従事している。こんな状態を続けていると、経営者と従業員との間で、心が離れてしまわない方がおかしい。人と人との間の心が、通い合わない組織というのは、健康か不健康かで言えば、当然、不健康な方だろう。

 健康を損ねた人が、体を動かしたりストレッチをしたりするけれど、健康を損ねた組織の、散歩とかストレッチって、どんなものだろう。

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