2023年 2月12日

 金曜日に、この冬初めての雪らしい雪が降った。牧馬でも15センチ程度は積もったろうか。この日は朝から夜まで降り続け、道路の上にも積雪があるようになり、装備の弱い車が立ち往生する光景があちこちで見られた。

 次の土日は暖かい晴天で、屋根に積もった雪も調子よく解けて、雨どいをコロコロと水音を立てながら流れて行った。2月も半ばの雪なので解けるのも早いが、山の北斜面に積もった雪は春まで残るかもしれない。

 ちょっと驚いたのが牧馬の除雪作業の早さ。金曜日の夕方から道路の除雪作業が始まり、牧馬峠の除雪はその日の内に終わった。もっとも、牧馬峠の北側を降りた所から篠原の集落の辺りは、けっこう除雪作業が遅れたみたいだ。こういう、地域によっての除雪作業の早さのムラは、どの地域の道路はどこの業者が受け持っているか、またどういう順番で除雪をするかで決まって来る。また県道などの幹線に比べると、そこから更に枝分かれした支線の道は、除雪が1日遅れるのが普通だ。

 自然に憧れて山里に住む事を考えている人もいるかもしれないけれど、同じ藤野でも、あまりにも道の奥の奥に家を求めると、他の家に比べて除雪が2~3日遅れる事もあるし、場合によっては市が除雪してくれない道もある。こういった事も事前に知っておいた方がいい。

 今回の雪では、意外と多くの車が立ち往生していた。私が仕事から帰る時には、道のあちこちで、それ以上進めなくなって置きっぱなしになっている車があった。坂道を登れなかったり、車が滑って側溝にハマって動けなくなったり。残念ながら、その場に車を置いて、そこからは歩いて移動した人がいるのだろう。たいてい、違う地域のナンバーの車だが。

 立ち往生する車の理由でも、初歩的なものは、スタッドレスタイヤではない状態で山道に挑んだもの。「そんな馬鹿な人間がいるのか」と驚かれるかもしれないけれど、藤野みたいな関東の低山の山里だと、意外とその罠にはまりやすい。

 例えば藤野の駅前だと、確かに雪は降っているけれど、交通量の多い道路は、まるで雪が積もってないので、これなら冬タイヤじゃなくても大丈夫な気がしてくる。しかし、いざ走り出してみると、山里の道は上り下りがあって、そのたびに降雪量が違ってくる。始めは道路上に雪が無くて安心していたら、少し走ると雪が無いのは車のタイヤの通ったわだちの場所だけになり、しばらく行くとわだちも積雪している。こんな急激な状態変化が数百メートル程度の違いで現れる。

 たとえスタッドレスタイヤを使っていても、道路の積雪が10センチ、15センチと増えてくると、4輪駆動じゃないと動きずらくなる。道路上で滑ってスピンしたり、坂道を登れなくなったり。

 いや、私の車はスタッドレスだし4輪駆動だぞ、と言ってても、道路上の積雪が15センチを超えてくると、道路にできたタイヤの跡のわだちに、自分の車のタイヤが引き込まれるようになる。私の車は大丈夫と過信してスピンするのは、たいていこういう場所だ。わだちだらけの坂道では、4輪駆動のスタッドレスでも立ち往生することがある。私は、もちろん冬タイヤを装着していますが、道路に積雪がある場合は、チェーンも使います。

 ただし、いくらチェーンを使っても、積雪が20センチを超え始めると、車の底が雪に乗り上げてタイヤが届かなくなり、動けなくなる。積雪20センチと言っても、場所によっては吹き溜まりのように雪が深くなっている所もあるのです。ここから先は、いかにも悪路に強い目的で作ったような車の出番だなぁ。

 まとめて言うと、藤野みたいな関東の低山の場合、ごく小さな狭い範囲内でも、まるで道路に雪が無かったり、いきなり深い積雪になったりと言った差が、激しく現れるという事です。これによって運悪く不幸な目に遭う車が絶えない。

 本来なら、よそから来た車なら、道路の積雪に不安を覚えたら、その地域にいる人に尋ねて、「この車の性能で、この先に行けますか」と聞くのが良いんですねどね。地元の人なら、割と的確にアドバイスしてくれると思うけれど。

 トルコで激しい地震があったとか。ニュースを見ると、けっこう新しい建物も倒壊している。どうも、政府や自治体に、耐震基準を甘くするのを認める風潮があったそうな。

 そういえば、福島の原発も、「津波には耐えられない」と警鐘を鳴らす人はいたが、基準を甘くしたまま動かし続けた。甘い基準を自らに課し続けると、結局は悲惨な状況を招き、厳しい基準を課した時よりも大損するものなのだが。

 自らに甘い態度を取り続けると、どうしても内部から腐っていくものなのだろう。

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