少しずつ梅雨が近づいている気配がする。空気に湿度を感じる日が多くなった。ただ梅雨になったらなったで、急に小型のストーブが欲しくなるような梅雨寒もある。6月でも薪ストーブの煙突から煙が出るのは、そんな日だ。
梅雨に入る前に草刈りをする。草刈りも、さんざん草を伸ばしきってから刈るよりも、少し雑草が伸びた段階でこまめに刈る方が、手間と回数は増えるけれど楽だったりする。まあこれは、人それぞれ、好みの刈り方があるとは思うけれど。
草刈りをしていると遠くに鹿の姿があった。鹿は警戒心が強いらしく、少し近寄ろうものならすぐに逃げていく。写真の鹿は足を怪我しているみたいで、片足を引きずるように逃げて行った。
鹿はヤマビルをばらまく。鹿がいる所にはヤマビルがいると考えて間違いない。ヤマビルの活動を抑えるのにも草刈りは有効で、ヤマビルは日光が直接差すような土地は苦手らしい。なのでここでも、あまり草が伸びないうちに草をこまめに刈るのは、ヤマビルに対しても、ヤマビルが嫌う土地の形を維持していることになる。
ヤマビルを嫌う人は多い・・・というか、好む人は皆無だろう。ただ、嫌う割には草刈りをこまめにするわけではない。ヤマビルが日光が直接差すような土地を嫌うと言う知識が無い人が多いのかもしれない。
ヤマビルが少ない山里を目指そうと思えば、ヤマビルが繁殖しにくい環境を作っていく作業を、その土地の「文化」と呼べるところまで習慣化させる必要があると思っている。草刈りもそうだけど、刈った草をまとめて寄せ集めて火をつけて燃やしてしまうとか。前述の通り、ヤマビルは直射日光を嫌うので、草を刈ると、刈って置いた草の下に逃げ込む。刈った草をあらかじめ数カ所にまとめて置けば、ヤマビルはその数カ所に逃げ込む。その草が乾いた頃合いに燃やしてしまえば、根絶することは難しくとも、かなりヤマビルを減らす事は出来るはずだ。
実はこういったヤマビル対策の方法は、神奈川県などの行政機関でもマニュアルができていて、その研究成果はネット上で閲覧できる。
研究も進めている。対策も提案している。後は実行するだけだが、なかなか実行が伴わない。他にすることがいっぱいあって、そこまで手が回らないからね。
だから、ヤマビル対策もその土地の「文化」と呼べる程度までにしたらいい。例えば、前回の日記では、毎年5月下旬の日曜日に行っているゴミ拾いの日について書いたけど、その日をヤマビル根絶を目指す山里総動員の作業の日とするとか。ゴミ拾いとヤマビル対策は隔年で交代にすればいい。
人間は個人にしろ集団にしろ、なかなか一つの問題に対して行動を起こすのに腰が重いところがある。でもそんな人間でも、その行為を「習慣」とか「文化」にしてしまうと、今度は止めたくてもなかなか止められなくなくなるから面白い。ヤマビルの対策をしたいのなら、毎日歯磨きをするように、毎年祭りをするように、地域の日常に「文化」として組み込むのが良いと私が考えるのは、そんな理由からだ。そこまでヤマビル対策が「文化」として定着すれば、5年、10年、20年という年月の間に、確実に目に見える成果が表れると思うんだけどな。
湿気の増える時期に「虫干し」を行い、紙や衣類への虫やカビの害を抑制する文化がある。春夏秋冬の折々に、快適な生活を維持するための風習が「文化」として行われてきた。21世紀には21世紀なりの文化が必要になってくるのだろう。
今年はヤマビル以外にも、ダニの被害が多い感じだ。私の周囲にもダニの害に遭った人が何人かいる。マダニに喰われると取り外すのが難しいので、取り外すための器具を買っている人も多い。
時々私も、ネット上で有効な手段は無いのかなぁと探したりするけれど、やはり現場で実際に使っている人の意見が、一番参考になると思う。
繰り返しになるが、ヤマビルにしろマダニにしろ、研究を続けている人や機関もあれば、提案されている対策もある。少しネット上で検索をすれば、情報は山のように手に入る。
あとは実践だろう。それも、習慣になり、やがては文化になるような実践。
無理なく実践が習慣になり、文化になっていく方法って、あるのかな。案外、そんな方法が解ると、もっと暮らしやすい世の中になるのも簡単かもしれない。これはリーダシップの考え方なのかもしれないな。
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