2022年 2月6日

 ラニーニャ現象の影響で、今回の冬は寒くなるらしいという話は聞いている。実際、いかにも冬らしい冬になっている。特にこの週末はまた寒気が下りてきて冷たい空気が流れ込み、朝には久々に水道が止まった。雪国では記録的な大雪らしい。

 冷たく乾いた季節風を感じながら、「今回の冬は寒いですねえ」と隣近所の方々と話すのだけど、10年前、20年前の事を思えば、この寒さだって標準的なものだったと思う。かつては当たり前の寒さだと言えるのだけど。

 昔とは全然違うのが石油の値段。ガソリンも高ければ灯油も高い。前回の日記で自然素材由来の断熱材の事について書いたけれど、こんな石油価格が当たり前になってしまうのなら、燃費半分の車とか、灯油消費量半分で十分暖かい家とか、真剣に考え始めるんじゃないかな。

 暖房を電気にすればいいという話もある。関東みたいに冬でも日照に恵まれた土地なら、屋根に太陽電池を乗せて、それで発電した電気で暖房するのも大いに結構だと思う。

 ただ、車がすべて電気になる世界が来るのかもしれないけれど、暖房がすべて電気になるのは怖い気がする。

 東日本大震災の時、電気に不自由する時期が続いた。「計画停電」の影響で、一日の内、数時間、電気が使えなかったり。そんな時、電気を全く使わなくてもいい対流式の石油ストーブは大変に重宝した。同じ石油ストーブと言ってもファンヒーターなんかは電気が無いと使えないしね。

 対流式のストーブなら、上にヤカンや鍋を乗っける事もできるので、いざ災害で電気が止まった時でも様々な使い方ができる。たいていの家庭では、完全なオール電化の家でもない限り、複数の暖房手段を併用しているのが普通だろう。その内の一つに、電気を使わないストーブを加えておくのは、非常時の為の保険だと思う。

 自分が愛用している対流式のストーブはこれの旧型のやつ。このストーブ、間接照明程度の灯りにもなる。本や新聞を不自由なく読める程には明るくはないが、それでも停電時には部屋の中にランプが一つ灯る感じで心強い。

 それにしても、石油の値段は上がりっぱなしだな。まあ産油国にしたって、これだけ世界が脱石油とか脱炭素とか言っているので、今さら安値で売りたくはないだろうし、そもそも新しい油田を開発しようという意欲が湧くのだろうか。

 ブラジルみたいに植物から油を作ればいいという考えもあるけれど、植物油(食用油)も値上がりしているからねえ。

 食用油の値段が上がるようになると、揚げ物の値段も当然上がるよなぁ。これから少しずつ、天ぷらとか唐揚げとか、「ぜいたく品」になっていくのだろうか。その代わりに穴を埋めるように蒸し料理が盛んになっていくのかもしれない。食事にも「燃費」が重要になってくる。

 なんかみみっちい話になったけれど、エネルギーや資源を湯水のように使う時代ではなくなっていくのかな。まあそれは以前から言われてきた事だけど、こう生活に直結する所から影響が出るとなると、「のびやかな時代」から「窮屈な時代」へと移り変わるようで、寂しさと息苦しさを感じてしまう。

 それをどうにか打開するのが人間の知恵だとも思うのだけどね。

 私としては、日本と言う国が、未来の困難に対して保守的に身動きをしなくなっているのが気になる。会社で言えば、かつては成功した会社でも、時代の変化でそのままの商売では未来がジリ貧になるのが目に見えているのに、新しい行動をとることができない・・・そんな感じ。

「これまで積み上げてきた実績と技術を応用して、新しい仕事を作っていきましょう」という社員がいても、特に上の人間が聴く耳を持たないで、地盤沈下だけが進行する。

 組織の中に、変革をしようとする人が、すっかり少なくなってしまったんだろうな、日本全体に。

 変革をしようとしたら、当然、抵抗もあれば対立もある。返り血を浴びる事もあるだろう。そう考えると、そこまで自分が犠牲になるようなことはせずに、当たり障りのない日々を過ごしながら、地盤沈下のまま身を任せようという人の方が、多いのかもしれない。

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