2021年 12月26日

 いよいよ今年も終わりに近づいた。クリスマスを開けた頃から寒波が襲来したらしく、雪国からは大雪の便りが聞こえてくる。高速道路が不通になったり航空機が減便になったり。帰省を考えている人には不安な話かもしれない。藤野の気温も、体にしみて来るような冷たい空気になってきた。

 帰省と言えば、今回の年末年始は帰郷したり家族に会う行動をとる人が多くなるんじゃないか、という話を聞いた。このところ疫病で移動もままならず、長い期間家族と会うこともできなかったのが、どういうわけか感染者が少ない状態が続いている。じゃあぜひ帰省しようという事らしい。この話には、「今のうちに家族に会っておかないと、またいつ疫病が流行して移動が制限されるか分からない」という危機感も含んでいる。

 なんかなぁ、「会える内に会っておきなさい」なんて、まるで戦時下みたいだね。そろそろマスクの必要のない世の中に戻ってほしいけれど、世界に目を向けると、感染が広がっている所もあるからねぇ。

 田んぼの仲間と餅つきをやって、田んぼの作業も一年を終えた。これから春まで田んぼは眠りにつく。

 いろいろと不安はあるけれど、先日、政府が「大規模な地震が起きて津波が押し寄せた場合、こんな被害が想定されるよ」という調査結果を発表していた。なかなかきわどい内容で、多数の犠牲者が出る可能性を案じているが、同時に、対策を講じれば被害を低減できるとも。

 個人的には、そろそろまた大きいのが来るかなぁという気持ちはある。このところ、妙に地震が多い気がするし。ただその一方で、不安でびくびくしているというよりも、震災対策の成果をこれから出していく時期になるのかなとも考えている。

 考えてみれば、震度5とか6の地震が起きても、あまりこの国は慌てない。これが世界の他の国だったら、世界的なニュースになるほどの被害を出すのだけど。なんだかんだ言って、日本は地震の国として、世界最高水準の対策を積み重ねてきた。これからは、東日本大震災を踏まえた対策が浸透していって、震度7とかそれ以上の揺れでも、案外平然としていられるような国になっていくかもしれない・・・まあ楽観論だけど。

 大地震が来ようと大津波が来ようと、前もって十分な対策がなされて、整然としたリーダーシップのもと被害を最小限に抑える、そんな県や市町村もあると思う。そうでない県や市町村もあるかもしれないが。

 まあなんとなくのイメージだけど、これから世の中は、少しまともな方向に動くんじゃないかと思っている。なんかこれまで、金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏人になってもかまわない、弱肉強食は当然である、大企業の利益の為なら庶民が犠牲になってもかまわない・・・そんな極端で厚顔な理屈が大手を振っていた時期が続いていた。それが、近年になって勢いを無くしている。

 その次の「まともな方向」なんだけど、当面は「中庸」という所に落ち着くんじゃないかなぁと考えています。ただ、一口に中庸と言っても、これがなかなか難しい。と言うより、一番難しいと言っていい。

 鬱病の患者に「頑張れ」とは言ってはいけないとよく言われる。かえって患者を追い詰めると。とはいうものの、じゃあ一生頑張れとは言ってはいけないかというと違う。患者が心の平静を取り戻して、少し動いてみようかなと意欲が芽生えた頃であれば、頑張れと言うのも大事なんだそうな。むしろ、本人がやる気になりかけている所「頑張らなくていい」と言うと、鬱病から抜け出すきっかけが、つかめなくなってしまうとも。

 「中庸」って、優しく「頑張らなくていい」と言ってやる時と、厳しく「頑張れ」と言う時と、絶妙に使い分けができて、その判断を誤らない神業のような所がある。

 「中庸」って、プラスとマイナスの中間の「ゼロ」という意味ではない。優しさと厳しさ、動くときと止まるとき、押すときと引くとき、正しい時に正しい行動をする知恵と経験が必要になる。

 資本主義でもないし社会主義でもない、そんな中庸とは、どういう形だろう。

 そんな中庸を具現化したところから、春は訪れるのだと考えています。

0コメント

  • 1000 / 1000