2021年 12月12日

 12月も半ばになると、「冬景色」という言葉がふさわしくなってくる。山の木々についている葉っぱも、もう1割くらいにまで減っている。すっかり散り尽くすまでに、そう間はかからないだろう。この週は割と穏やかな小春日和だったが、これから寒くなるらしい。ラニーニャ現象のせいで今回の冬は寒いとの話だけど、実際の所どうなんだろう。

 以前の日記で、こんなふうに暖冬傾向が続くのなら、車のタイヤも冬にスタッドレスに替えるのではなく、オールシーズンタイヤにしようかなぁなんて書いたけど、知り合いから「オールシーズンタイヤは積雪には少々の効き目を発揮するけれど、凍結路には効かないよ」と教えてくれた。それじゃあ、ダメかねぇ。

 藤野みたいな南関東の山岳地だと、冬に車を運転している時の危険は、積雪よりも路面の凍結の方が、出くわす機会は多い。谷沿いの道とか、川を渡る橋の上とか、いきなり路面が凍り付いている事がある。まあそんな道も、すぐに行政が塩(塩化カルシウム)を撒いて凍結しないようにしてくれるけれど。

 やっぱり、藤野でもまだまだスタッドレスは必要らしい。初冬と春のタイヤ交換も必要ということになる。

 冬至が近づいてきて、日没の時間もすっかり早くなった。勿論、冬至を過ぎれば今度は陽が徐々に伸びていくのだが。

 ここ何回か、日本の産業構造について、「企画する人も出資する人も設備を持っている人もいるが、実際に手足を使って働く人がいない」と書いてきた。ただこの状態、冬至と同様に、これから陽が少しずつ伸びていくものだとも思っている。

「こうなった以上、本当にやるべき仕事、世の中が必要としている仕事を、粘り強く続けて行きましょう」といった誠実な動きが出てくると思う。それも、従来の権力の利権構造とは違う場所から、小さな規模での再出発になるのだと。そんなか弱い船出なので、様子を見ながらの、おずおずとした船出になるのは仕方がない。少し進んでは今の自分の位置が間違っていないか確認し、確認が取れたらまた少しずつ進む・・・といった、一見、か弱く心細い前進に見えるだろう。

 でもね、それが本来の正しい在り方なんじゃないかと思う。これまでの、「うちは大企業なんだから、これは国策なんだから、金も権力もあるんだから、失敗なんてするはずがない。」と、事業がおかしくなっても軌道修正なんて考えもしないような尊大な運営の方が異常だった。

 まあなんとなく、これからはそんな冬至が明けた、少しずつ陽が伸びていくような、静かな船出が増えてくるんじゃないかと予想しています。

 それにしても、実際の現場は、なかなか厳しい風も吹いてはいるんですけどね。よく半導体不足で車が生産できなくて、新車が買えないし中古車も値上がりしているといったニュースがあるけれど、町工場で導入するような機械だって、以前のようには簡単に導入しにくい状況になっているらしい。

「鉄が高騰して、以前の値段では購入できない」という話もあれば、「この機械は海外からの輸入品になるけれど、品薄で次に輸入できるのがいつになるのか判らない」といった話をよく聞く。でも逆風の中でも、真に時代が必要としている製品なら少々値上がりしても購入を希望する所は絶えないだろうし、そういうところが伸びていくんじゃなかろうか。

 最近話題になっている労働力不足の問題に対しても、「こうなることは前から判っていたので、早々に手を打っておいた」という人の話を聞く。安い労働力を使って安っぽい仕事をする状態から縁を切ったと。

 うーん、判る人には、何年も前から判っていたことなのかな。

 産業を担う人間の人格って、どこか派手好きで勢いに乗って景気よく活発に動き回る、という印象があるけれど、これからしばらくは、そういう個性よりも、静かに自分のやっていることは間違っていないかと自省する、内省的な性格が流行るように感じています。あまり商売人っぽくないかもしれないけれど。

 「令和」って、そういう時代なのかもしれません。

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