2021年 12月5日

 今年もついに師走に入った。近所では実った柚子を収穫している。すでに丹沢の上の方は、すっかり葉を落とし尽くして冬景色だと思うが、牧馬のこのあたりだと、半分くらいは落葉したかなという程度。

 先日、山梨県の富士五湖あたりを震源とした地震があって、大月では震度5を記録したとか。その日の内に和歌山の方でも大きな地震があったりと、このところ妙に地震が賑やかだ。まあ、こんな事がきっかけになって「日頃の備えはしている?」なんて会話にもなるのだけど。

 そんな会話の中で、停電が続くのは困るなぁという話になった。ある人は発電機を買ったらどうだろうと言い、ある人は長時間の使用に耐える充電池を買ったらどうだろうと言う。どちらも良いアイデアだと思いますよ。

 ただこういう非常用の道具って、いざ非常事態に遭遇した時、使い方が分からなかったり、使ってみようと思ったら故障していたりとか、思うように使えない場合がある。本当は、非常用の道具って、日常的に使っているべきなんですよね。まあ、「非常用の道具を日常的に使うわけないじゃないか」と言われそうだけど。

 そんな時こそ、キャンプですよ。

 キャンプは非常用の家(テント)で暮らし、非常用の調理器具を使って食事をして、非常用の寝具(寝袋とか)で寝る。こんな時に、発電機とか充電池とかを持っている人は、それらを使いこなして遊べば、本当の非常時の時になっても、慣れた感じで使いこなせる。

 数年前までは信じられない光景だけど、この時期の土日でも、道志川沿いのキャンプ場は満員になるんだよなぁ。かつては冬なんて閑散としたものだったけど。

 でも、冬の寒いさなかでテントで過ごすなんて、そりゃあ携帯型の暖房設備なんかも持参しているようだけど、知らず知らずの内に、けっこう非常時でもタフでいられる経験を積んでいるんじゃなかろうか。

 防災訓練とか、非常時の備えとか言うと、妙にくそまじめで、あまり真剣になりきれない、形ばかりのものになりがちだけど、遊んで楽しみながら実力をつけて行くのだから良いことづくめだ。

 ただなぁ、キャンプブームも良いけれど、相変わらず、休日は道路が混むんですよ。日曜日の夕方なんて山から都市へ帰る車で道が混みあって、うかつに外出もできない。

 どんな流行にも弊害はあるけれど、キャンプの流行は、私は好意的に考えている。というのも、キャンプって、あえて不便な環境に身を置いて、自分で火をおこしたり雨露をしのぐ居場所を作ったり、自分の手足を使って「何かをする」行為なんですね。

 前回の日記でも書いたけれど、私には、この国がいつのまにか、実際に手足を使って何かを作り上げる職人がいなくなってしまいつつある事に危機感がある。金を出す人、提案をする人、計画をたてる人はいても、実行する人がいない。

 不自由な環境であっても、何とかしてしまう人間の力量って、実際に何度も体験して身に付けるしかない。そんな「体で覚える」経験が、現代ではすっかり乏しくなってきている。キャンプは、遊びながらそれが出来る趣味の一つだろう。

 話は大きくなりすぎるけれど、これまでの世の中って、金を出す人、提案する人ばかりがもてはやされて、実際に動ける人が目立たなかったけれど、来年あたりから、「やっぱり口だけの人間よりも、実際に経験を積んできた実力者にやってもらわないとな」という気風になって来るような予感がします。そうでもしないと、世の中がまともに機能しなくなってしまう。

 話が大きくなりすぎたな。

 まあ結論を言えば、いざ災害になったとしても、そういう時に真に頼りになるのは、実際に行動できる人という事だ。

 会社でも、その他の組織でも、そういう人が元気で沢山いる所なら、大概の事は、これからもなんとかなるんじゃないのか。

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