この年は、梅雨時の頃から、毎週2日くらいは必ず雨が降っていたが、この週はまるまる一週間、雨が降らなかった。少しずつ、冬の乾いた気候に移りつつある。山は暖色系に彩を変えているが、中には既に葉を落とし尽くした木もある。気が早いかもしれないが、車のタイヤを冬用に替えた。温暖化のせいか年々スタッドレスタイヤを必要とする日が少なくなっているけれど、11月の下旬にいきなり積雪がある年も過去にはあった。
ただ、このまま温暖化が進めば、藤野のような関東南部の山地くらいの場所だったら、冬にタイヤを交換するのではなく、オールシーズンタイヤ(・・・スタッドレスタイヤほどの雪道や氷盤路に対する性能は期待できないけれど、普通のタイヤよりは強いタイヤ・・・)でもいいかなぁと思うようになるかもしれない。いっそオールシーズンタイヤにしたら、タイヤの交換もしなくてすむようになるのだけど。
明日の月曜日は雨が通過して、そこから一気に寒くなるそうな。こういう時になぁ、「やっぱりスタッドレスにしとけば良かった」とか思うのかな。雪も怖いけれど、藤野の場合、谷筋の道や川を渡る橋を行くときに、道が急に凍結していることがあるんですよ。
アメリカでは、飲食店や宿泊施設、大型の商店などで労働者不足が発生しているという。人材の確保のため、給与を上げる所も増えているとか。これはアメリカだけではなくて世界的な傾向らしい。一般的な説明は、疫病の影響で経済が停滞していた間、企業が雇用を減らしていたところ、疫病の収束傾向が見られて経済活動を再開しようと、急に人材を募集し始めたから人材不足になっていると。
さて、疫病が本当に収束しつつあるのか、また感染が拡大しているところも多いようだけれど、私としては、人材不足は疫病だけが理由ではないような気がする。
日本だって似たような現象が起きているんじゃないのか。特に日本は高齢化と人口減少が重なっているので問題は深刻だと思う。
自分の身の回りでも、けっこう労働力不足の話は聞くんですよ。ある仕事を依頼しに、ある業種に訪ねて行っても、「すいません、今、仕事が手いっぱいで、新しい依頼に応じられる状態ではありません」と言われることもあれば、それまでお願いしていたところが高齢を理由に廃業すると言うので、同じ作業ができる同業を探しても見つからないか、たまたま見つかっても「1.5倍か2倍の料金なら引き受けてもいい」と言われる。
これは私の印象に過ぎないのだけど、今のこの世の中、「こんな仕事をしたらいい」とアイデアを出す人はいるし、それに出資したいという人もいるし、その仕事に土地や設備を使ってほしいと言う人もいるけれど、その現場で手足を動かして働く人がいない。そんな事態に陥っているのではないか。
一昔前、いやほんの数年前まで、仕事の現場では「お前の替わりなんていくらでもいるんだ」なんて、労働者を軽く扱う風潮もあったようだけど、これからしばらく、労働者を大事に迎え入れて、大切に育てるような努力が必要になるんじゃなかろうか。
外国から労働者を招いたらどうだ、という意見もある。一時的にはそれも有効かもしれない。でも長くは続かないだろう。外国人の労働力だって、いつまでも安いわけではない。年を追って値段は上がっていくし、世界中で安い労働力の奪い合いになる。「日本よりももっと条件の良い国に仕事に行く」と考える外国人労働者が増えれば、日本の企業だって考えを改めざるを得なくなる。
要するに、安い労働力を前提とした経済が、どういう理由かは解らないけれど、減速し、停止しようとしているように私には見える。
考えてみれば当たり前なのかな、とも思う。日本に限って言えば、人口が減少する社会が成立してしまっている。政治の仕組み、経済の仕組みが、人口を減少させる機能を発揮しているとしたら、そのような経済は、自動的に停止する時を迎えるしかない。経済の仕組みそのものが、経済を自滅させる方向で機能しているからだ。
たぶん、現状の経済の仕組みは、いったん停止する時が来るのだろう。そこから経済が再出発する際には、人を増やす経済の形に変容している必要がある。そんなことができるのかどうか。
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