2021年 11月7日

 それほど冷え込まない小春日が続く。そんな陽気の中、この秋は、少しずつ催事の増える秋になった。

 この藤野近辺は、やたらとイベントの多い地域だったが、この疫病の影響でイベントの類は全面的に中止が相次いだ。それが、最近になって感染者が減ってきた事を受けて、少しずつ、それでも疫病対策を考えながら、イベントを再開するところが現れてきた。

 牧馬のある篠原地区では、毎年、地域の高齢者向け施設で落語会があったが昨年は中止。それが、今年はお客の人数を制限しつつも開催にこぎつけた。マスクをして、席の間隔をあけながらの落語会だったが、山里に明るい笑い声が生まれたのは良かったと思う。

 第6波、どうなんだろうね。日本はこのところ落ち着いた感じだけど、世界全体で見ると再び増加傾向にあるそうだ。

 それでも、藤野のイベントは来年は再開の方向で動いているらしい。あちこちで準備を進めている話を聞く。来年は、にぎやかな藤野になるのだろうか。まあ、土日の車の流れは、既ににぎやかなんてもんじゃないけれど。

 選挙が終わって、今後の流れが自分なりに予想できる部分があった。今の日本の問題点の最たるものは、政策のあらゆる部分が利権構造に組み込まれ、悪い状況と判ってても正せず、良い提案と判ってても実行できず、身動きが効かず、たちの悪い利権構造に振り回され、日本の価値は白蟻に蝕まれるように劣化していく。政治の当事者だって、判っている人は判っているだろう。でもしばらくは、「ここはいったん立ち止まろう」と思っても、たちの悪い白蟻に振り回される時期が続くかもな。

 かといって白蟻の未来が安泰なはずがない。白蟻はただ食い散らかすだけで、何も生み出さない。ある時は農業を喰い散らかし、ある時は医療を食い散らかし、次は教育、次は製造業と、食い散らかして後は草木も生えぬ。

 白蟻という表現が悪ければ、ウイルスと言ってもいい。本来、健全な身体にある細胞は、身体の様々な場所で、その場にふさわしい仕事を担っているところに、ウイルスはひたすら細胞を壊す事と、自分の仲間を増やす事しかしない。

 しかし、脳は脳として、心臓は心臓として、腸は腸として、皮膚は皮膚として、それぞれを役割を担って活動を続けることが、持続可能性であり、健全な姿である。

 冷静で頭のいい人ほど、白蟻やウイルスが猖獗する事態を眺めつつ、上手に韜晦し、決して白蟻やウイルスに身も心も委ねて仲間になるようなことはしない。そんな時代にあっても、心の中に健全性は留めている。

 価値を食いつぶす事しかできない勢力は、どうしても、食いつぶすだけ食いつぶしたら、行くあてが無くなるし、その時は、自分の周囲がすべて敵になっている。そりゃあ誰だって、まじめにこつこつと働いて価値を築いてきたのに、それを白蟻に食いつぶされるのを見たら、たまったものじゃないと思う。

 始めは家の土台だけ食っていた白蟻が、ついに家の屋根まで食い尽くした頃、それは白蟻の時代の(一見、最盛期に見えるが)最期の時でもある。

 さてそんな時期、健全性を保った組織とはどのようなものか。

 人体の比喩がそのまま使えるんじゃないかな。それぞれの場所で、それぞれのふさわしい仕事を担う姿。営業が得意な人、研究が得意な人、製造が得意な人、長所を活かしあった適材適所で価値を創造していく。何かを食いつぶすだけではなく、「生み出す」ことができるのは、そういった組織だろう。

 これから、明暗が分かれてくるだろうと考える。自分は、自分の組織は、食いつぶすだけの存在か、何かを生み出す存在か。何かを生み出す事までできずとも、とりあえず持続可能性を失わない健全性を保っているだけでも上出来かもしれない。

 白蟻は欲望だけで突き進む存在だが、これからは欲望だけで動くのではなく、真の意味での知恵が必要不可欠になるだろう。

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