2021年 10月10日

 今年はどうも湿度が多い気がする。太平洋の海水温が高いためだろうか。秋晴れになっても、雲の形がいかにも湿気を沢山持っている形だし、実際、晴れると妙に蒸し暑い。爽やかに秋風が心地よく吹き抜ける感じではない。

 もうすぐ稲刈り。幸いにして、台風などの影響は無いまま,刈り入れを迎えられそうだ。ただ、こうも空気中に湿気があると、刈り取った稲をはさ掛けしても、うまく乾いてくれるだろうか。

 この湿度の多い天候のせいだろうか。今年の紅葉は、なんとなく鮮やかには色づいてくれない気がする。地味な色合いのまま冬になってしまうんじゃないかなぁ。

 もう一つ、紅葉で不安な事がある。近年になって、藤野でもナラ枯れの被害が目立つようになってきた。

林野庁のナラ枯れについての説明

 カシノナガキクイムシという虫が原因と言われているが、そもそも、その虫の勢いが増した原因というのもあるはずで、日本の山に、かつてはあった均衡が崩れる何かが進行しているのだろう。

 前回の日記で「遷都」について少し書いた。遷都と言っても実際に首都を移動することだけではなく、もう少し、広い意味で考えてみた。それは、日本の中心をどこに設定するか、という作業としての遷都。

 選挙の手法が小選挙区制になったのも遷都かもしれない。町の商店街が活気を失い、郊外の大型店に人が集まるようになったのも遷都かもしれない。今後は、郊外の大型店が活気を失ってインターネットの通販が主流になるかもしれないけれど。

 日々の暮らしの中ではなかなか気づきにくいけれど、長い目で見れば、何が日本の中心になっているか、その中心がどのように変遷して移動していくか、その動きは確実に存在している。ある場合は、小さな法整備がそのきっかけになったり、ある場合は、新しい技術が生まれたことがきっかけになったり。

 車が石油から電気に変わろうとしている。これも世界的に見たら大きな遷都だろうな。

 で、今の政府に、自ら遷都を主体的に起こせるのか、それとも、既得権に縛られて最後まで遷都をごねる立場になるのか。

 いずれは、原発村からの遷都もしざるを得ないと思うんですけどね。

 遷都があれば、当然、かつては都だったのが移されてしまい、今は寂れてしまった古都というものもある。それで、少し思うことがあるのだけど。

 世界的な流れで、各企業には経済活動で温暖化ガスを出さないように求められるようになってきた。あまり化石燃料をじゃぶじゃぶと使って作った製品は、輸出したくても相手国から拒否されかねない事態も起こってくる。もしくは、化石燃料を多量に使うような製品には、罰金のようなペナルティーを科されないと売ることもできなくなるかもしれない。

 化石燃料をなるべく使わない工夫には、当然、物資の輸送にかかるエネルギーにも求められる。早いからと言って、やたらと航空貨物を使うのは憚られる世の中になるかもしれない。

 省エネの輸送手段と言ったら船か鉄道という事になる。もし、近い未来、鉄道貨物が物流の分野で国際的に支持されるようになった場合、日本はどうなるだろう。日本は島国だし、鉄道で大陸とは繋がっていない。同じ島国のイギリスは、すでにドーバー海峡を通るトンネルで繋がっているが。

 日本と大陸をつなぐトンネルにも、九州から対馬経由で朝鮮半島にとか、宗谷岬からサハリンを経てロシアへとか、いろいろ言う人はいるけれど、外交的に難しい問題を抱えている両国だからなぁ。技術的には可能でも、外交的には夢物語に近い。

 ヨーロッパなんか、昔の古い鉄道を改修して高速列車を走らせる事を可能にする工事が各地で行われているけれど、そのような新線では、貨物列車も時速100キロ以上の高速で走る事を想定しているそうな。

 もし世界が、そんな高速貨物鉄道網の世界へと「遷都」した場合、日本は古都になってしまわないか。そんな事を考える。

 もちろん未来では、地産地消の経済が進んで、それほど国際的な物流が盛んではない世の中になる可能性もあるのだけど。

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