2021年 1月24日

 土曜日の夜から雨は雪になった。予報では大雪の可能性もあったようだが、結局、牧馬でも数センチ積もる程度で終わった。日曜日も降水は続いたが、雪よりも雨の時間の方が多かったようだ。

 これでは道路の除雪はいらないかなぁと思ったが、日曜の夜に重機がやってきて、軽く道路上の雪を払いのけていった。たいして大雪にならずにほっとしたが、一方で物足りなさも感じてしまう。

 以前だったら、大雪が降ったら雪かきが大変だなぁと、ぼやいていただろう。ただ、一昨年の水害以降、ちょっと雪に対するイメージが変わった。あの水害では、津久井各地で土砂崩れがあったり、山から流れ込んだ土砂で道路が塞がれたりした。こういった土砂は、水害が終わった後に道路脇に積んで、トラックに積み直してどこかに持って行って処分しなければ無くなってくれない。でも雪だったら、暖かくなれば自動的に水になって消えてくれる。土砂の片付けを経験した身には、雪の片付けはずっと気が楽だ。

 もちろん、雪国の本格的な豪雪になれば、もっと事態は深刻になるとは思うけれど、

 今回の降水、昨年の11月から雨らしい雨が殆どなかった山里にとって、久しぶりのまともな降水になった。

 先日、ある場にて、どうしてこうも新型肺炎対策が後手後手に回るのか、そんな話をする機会があった。話そのものはそれほど実りは無く、話の中心も、どうして世の中はこうもまたもに機能してくれないか、という愚痴に流れてしまうのだが。

 そんな話の中で、「若者に元気が無いのが問題ではないのか」という話も出た。ただ私としては、若い世代に何か問題があったとしても、それはその上の世代の能力不足が問題なのではないか、という方向に考えが行ってしまう。

 これは、何も相手が若者に限定する話ではないが、相手にやる気を起こさせ、経験と実力を付けさせ、能力を開花させるのは、上に立つ存在の役割だろう。若者がだらしない、中年がだらしない、高齢者がだらしない、とそれぞれの世代を非難しようと思えば幾らでも非難する材料は見つかると思うが、「だらしない」状態から、どう引き上げるか、という建設的な発想に立たないと、問題は解決しないだろうねえ。

 たぶん、これから、あの企業は妙にやる気のある人が集まって活発に活動している、とか、あの自治体の公務員は妙にやる気のある人が集まって・・・という話が出て来るんじゃなかろうか。やる気のある組織とやる気の無い組織が明確に別れて、それが表面化する時代。

 組織の気持ちがどんどん前向きに明るくなって行く所もあれば、どんどん暗く沈滞して行く所もあるだろう。その差の原因はどこにあるのか。

 その差の原因は、結局は「人」の問題になるだろう。組織の気持ちを、前向きに明るくさせて行く人がいる所は、組織が前向きに明るくなっていく。こう書くと当たり前すぎて馬鹿馬鹿しい文章だけど。

 じゃあ、組織の気持ちを明るく前向きにさせて行く人とは、どういう人で、どういう手法を使うのか、という話に流れて行く。

 おそらく重要になって来るのは、このような考察をする人間が、組織のリーダーだけが持つのではなく、組織を構成している全員が共有しているか、という事になると思う。若者がだらしない、中年がだらしない、高齢者がだらしない、と組織の大半の人が言っている内は何をやってもだめで、若者を向上させるには、中年を向上させるには、高齢者を向上させるには、我々はどう考え、どう振る舞い、どう実行して行くか、という発想に、組織の大半の発想が至る様になって、ようやく組織はまともな方向に転がり始めるのだと思う。

 これはリーダーシップの問題であり、徳や人格の問題であり、教育の問題でもあるだろう。今の世の中、いろんな問題を抱えて日々大変だとは思うが、人を育てて向上させる事の重要性を問題提起する声は、まだ少ないと思う。

 人を育てられるのは、やはり人だと思うし、人を開花させるのが上手な人が多い所から、その組織は開花し、その地域は開花して行くのだろう。教育は、繰り返し、繰り返し、時間をかけて、時には失敗も経験しながら、長い時間をかけてようやく成果が現れる。なかなか気の長い、本腰を入れてやらなければならない大事業だけど、いつ頃からそんな機運が出て来るのか。

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