2022年 9月11日

 今日の日曜日は、久々にすがすがしい秋晴れだった。どうもこの夏は、台風やら前線やらの影響で、常に湿気の供給がふんだんにあって、週の半分以上は雨か曇り、残りの晴天は蒸し暑いと、爽やかな夏というのはほとんど無かった気がする。もっとも、今日はすがすがしい天気でも、この次の週からはどうなるか判らない。

 ススキは穂を風になびかせ、彼岸花もちらほらと顔を出し始めている。初秋という雰囲気ではあるのだけど、このまま爽やかさが続くかな。

 昨日は十五夜。篠原の各家で、お菓子を前もって置いておき、夜には子供たちが「お月見おーくれ」と言ってお菓子をもらいに来る。こんな風習も、藤野でも奥地では健在だ。幸いにして、その日は見事な満月が望めた。ほんとにこの夏は曇りや雨や湿気が多くて、煌々と山々を照らす満月なんて見たのは、ずいぶん久しぶりな気がする。その分、翌朝はだいぶ冷えこんだ。まだまだ暑い夏が続いているような勘違いをしていたが、夜中に寒さで目が覚めて、慌ててもう一枚毛布を重ねる事がある。気づけば、朝の4時はまだ夜だ。だいぶ日が短くなってきている。

 雨が多かったせいか、今年の夏は、あちこちでイノシシの害が目立つ。そこらじゅうを掘り返し、中には民家の敷地の庭まで掘り返している。なんとかならんものか。

 イノシシに家の敷地にまで入られると、もはや家庭菜園すら不可能になる。ここらで、本気で獣害と向き合う覚悟を見せないと、山里での農作業なんて不可能になってしまう。

 ただ、こんな事も考える。なんか今の世界は木材が値上がりしたり鉄が値上がりしたり、半導体が手に入らなくなったり、石油や天然ガスが高騰したり、小麦が不足したり電気代が高くなったり。

 そろそろ、自分の生存のために必要なものは、自分で生産を考えなければならない事態も、想定しておくべきではないか。おまけに円安が深刻化している。この流れは、一時的なものではないように感じている。日々のご飯のレベルから、自前で確保しなければいけない流れになるのではないか。そうなったら、全国の耕作放棄地を改めて開墾して、農産物を作る時代も来るかもしれない。

 そんな時代になったら、人間もイノシシに対して本気で戦うだろうな。

 私は別にグローバル社会の利点を否定するものではないけれど、ここしばらくは、自前で生産できる技術を持っているかで、生死が分かれる場面が出てくると思う。

 近年、新電力と呼ばれる小規模で安価を売りにしている電力会社の破綻がニュースになっていたけれど、自前で地熱発電所を持っている会社は問題が無かったとか。

 まあ、何でも自前でやらなければならない、と言うのも極端だとは思うし、それを「できる」と言うのは傲慢だろう。何であれ、世の中は助け合いで出来ているわけだし。

 それでも、「わが社のこの部門だけは、自家生産にこだわる」とか、自前にこだわる気概は必要になると思うな。その逆の精神が、「なんでも外国にやらせて、安く簡単に調達すればいい」という考え方だけど、これも通用しなくなりそうだし。

 一つ思うのは、これからしばらく、「虎の威を借る狐」には、厳しい淘汰の時期になると思う。「他人のふんどしで相撲」の人にも。結局、こういう考えには「自分の実力が無い」という事実しかない。でも、これから試されるのは実力の方だろう。

 ここで、誰が「虎の威を借る狐」か、あれこれ挙げるつもりはないけれど、なんかそういった組織や個人が、どんどん崩れていっているように見えるんだけどね。今、そういった「狐」たちが気を付けるとしたら、時代の変化を察知して、あまり今までと同じようにはいかない世の中になったと自覚する事だろうな。もう世の中は、自分の事を「虎」とは扱ってくれない。そんな時に、「私は虎だ」とそのままの態度を取り続けたら、行きつく先は破滅だけだろう。狐は狐としての立場を見極めて、静かにしている方が良い。

 でも、静かにはできないんだろうな(笑)。

 傲慢にはならず、静かに、自分の実力に自信がある人や組織が力を発揮する時期になっているとしたら、それは健全な事だと思う。それは、いままでが不健全だったという事でもあるが。

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