金木犀の香りが漂い始めた。秋は深まりつつあると言いたいところだけど、時々は30度を超える日もあり、いつまでも「初秋」が続いている感じ。ススキは盛大に穂を開いて、原っぱは光に揺れている。今年の彼岸花は、いつもよりも勢いが良いような気がする。かつては、咲いている所が珍しいくらいだったのが、今年は、どこでも咲いているような印象になる。今年の気候は、よほど彼岸花には有利に働いたのだろうか。
今年の猛暑の影響で、紅葉を待たずに葉っぱが枯れて、落葉が始まる現象が見られるとニュースにあった。藤野でも、程度はそこまでではないものの、似たような現象がある。桜なんかは、まだ紅葉の時期ではないだろうと思うのに、早くも黄色や赤に色付き、葉を落とし始めた。割と冬の寒さに突入しても葉を落とさない桑の葉も、緑色のまま落ちている木がある。普通だったら、冬に入って他の木々が落葉が終わってもしぶとく葉がついて、霜が降りるような本格的な寒さになってから、ようやく黄色くなった葉を落とすのだけど。
色々と、異変はあるようだ。たぶん、この高温傾向は今後も続くのだろう。そうなると、これら異変は異変では無くなり、新しい常識になっていくのだろうな。
酷暑の夏が終わり、程よい気候になってから夏の疲れが出たのか、私の身の回りで、ふらついたり寝込んだりする人が多い。こういう時は、素直にしっかりと休んだ方がいいと思う。
人工知能が進化して、いまでは一般的な道具として使われるようになってきている。定型業務や、簡単な判断くらいなら人工知能がやってくれる時代が始まったのだろう。まだこの新技術が、世の中をどう変えていくのか分からないけれど、判る人には既に見えているのかな。
興味深い事に、定型業務のような、いかにも人工知能が得意そうな分野だけでなく、文芸や絵画や音楽と言った、これまでもっとも人間にとって創造的と思われてきた分野にも、人工知能は活躍の場を広げている。芸術まで機械がやるような世の中になってしまうと、もはや人間がやる事なんて、無くなってしまいそうな勢いだ。
ただ、私が現段階で感じたものは、人工知能が作り出すものって、これまで人間が作り出したものを、綺麗にバランスよく再配置して、それっぽいものを作っているような段階ではある。もちろん、さらに進化を進める可能性もあるのだけど。
人工知能に、「ショパン風の曲を作ってくれ」とお願いすると、確かに、まあまあそれっぽいものを作ってくれる。これはこれで凄い事だと思うし、実際に音楽を必要とする現場で、そもまま使われる事も多いだろうなぁと思う程度には達している。でもやはり、聴いてみると、ところどころ、ああショパンのあの曲とあの曲と、あの曲の雰囲気が所々にちりばめられているなぁと、ショパン風の曲と言うよりもパロディを聴かされているような感じはする。まあ、パロディだけでも、マネが出来るだけでもすごいんだけどね。
でもやはり、人工知能が作るものって、過去の膨大なデータを再構成したもの、という限界は(今のところ)あるのだろう。じゃあ、「今までになかったもの」を作る事が出来るのか。出来るかもしれないし、出来ないかもしれない、が、最大の問題は、人工知能に、「今までになかったもの」を作る欲望があるのかどうか、という事になると思う。
なんか面白い事は無いかなぁとか、なんか今までに見たことが無いようなものを見てみたなぁ、と言った好奇心は、今のところ人工知能にはないだろう。まあ、人工知能を開発している技術者の熱意は大変なものだと思うから、既に好奇心を持った人工知能の開発もしているかもしれない。
そんな人工知能の進歩が続く一方で、人間がやる意義がある事って、何だろうと思う時、私は、手足を使って動いてみる事だ、と考えた。
何年も絵を描いている人なら経験があるかもしれないが、例えば私の絵を描く能力が80点だとする。そんな私が絵を何枚も描いても、80点の絵はなかなかできない。70点とか60点とか、50点以下の失敗作もたくさんできる。これはどの分野でもそうだろう。自己の最高記録が毎回確実出せる人間なんているわけがない。
でも、実際に手を動かして絵を描いていると、何らかの偶然で、(筆を動かす手が勢いが良すぎたとか、たまたま選択する色を間違えたとか)、自分でも予想もしなかった作品が出来てしまうことがある。80点の人間が、100点とか120点の絵を描いてしまうことが、何十枚かに一枚の確率で起こりうる。
人間が、実際に手足を動かして、何かをし続けると、そういう事が起こる。こういった予想もしなかった進歩や発見は、過去のデータの再構成だけからは生まれにくい。
人工知能が普及する世の中になって、何でも頭の中で考えた事ばかりで物事が完結すると考えるのは間違いだろう。頭だけで物事を処理するような世の中になって、最も必要になって来るのは、実際に手足を動かして、予想もしなかった出来事に直面するような、経験だと思う。
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